CULTURE

女優・モデルとして10代から絶大な支持。表現を追い求める深尾あむが、ドラマ『私と夫と夫の彼氏』で等身大の高校生役に

JUL. 20 2023, 11:00AM

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撮影 / 川竹直人 スタイリング / 藥澤真澄(TRON management) ヘア&メイクアップ / 塩山千明 文 / 岡田麻美

深尾あむのポートフォリオは鮮やかだ。カナダで過ごした小学生の時は、フィギュアスケートやチアリーディングなど「表現力」が求められるスポーツに打ち込んできた。大会にも出場し熱心に活動していたが、帰国後、日本のドラマを見てから女優になりたいと思うように。特定の作品や役者がきっかけというわけではなく、北米で目にしてきた俳優と、どこか趣きの違う表現と雰囲気に惹かれたという。その後、雑誌『ニコラ』の専属モデルを経て女優デビューを果たした。感性を刺激したものが何か、具体的にはまだ掴めていないと言っていたが、どこか今現在の芝居に自然と表れているのかもしれない。深尾がこれまで出演した作品を観ると、目の表情や台詞の間で、役の想いがじわっと伝わってくる瞬間がある。それは話していたような情緒のある、強い印象を残していた。

 

7月期のドラマ『私と夫と夫の彼氏』では、教師の美咲(堀田 茜)が受け持つ生徒・莉愛役で出演している。夫と、夫の彼氏と同居を始める美咲は、いびつな関係を自覚しつつ、周囲や学校での出来事を経て、自分の心に素直に生きることを考え出す。これまで演じたことのないキャラクターだという莉愛役とどう向き合ったのか。これまでの歩みが芝居に生きていること、等身大の悩みなど、初登場の深尾に訊いた。

感覚で演じるだけだと、心地悪い瞬間が生まれてきて

バァフ お芝居をする、女優の仕事にはいつ頃から興味を持っていましたか?

深尾 私は元々芝居がやりたくて、女優になるにはどうしたら良いか自分なりに考えて、2018年に『ニコラモデルオーディション』を受けました。小学1年生から4年生までカナダに住んでいた時に、フィギュアスケートやチアリーディング、他にもいろんなスポーツをやってきて、身体表現が好きになって。競技として点数や秒数を競うよりも、人前でパフォーマンスをすることの方が楽しくて夢中になりました。日本に帰ってきてから、人前で表現ができる仕事をやりたいと思い、オーディションに応募しました。

バァフ 日本に戻られてからもフィギュアスケートやチアリーディングを続ける選択肢もあったと思うんですが、女優を目指すきっかけとなった作品などはありますか?

深尾 何かの作品を観たり誰かに憧れたような、明確なきっかけはないんですけど、帰国後テレビをつけた時に初めて日本のドラマを観て、カナダで観ていたドラマとはちょっと雰囲気の違いを感じたんです。作風なのか日本人の芝居からなのか、内に秘めた想いが湧き出るような感情表現があって惹かれました。あと、向こうでは日本人がドラマに出ていなかったので、私が入れる世界だとは想像もしていなかったんです。同じ日本人が演じているというだけでも身近に感じたというのはあって、だからといって自分にできるわけじゃないんですけど希望を持つことができたし、やってみたいという意欲が出てきました。

バァフ お話をお聞きすると、身体表現がしたいという明確な意思を持って俳優を志したんだなと感じます。10代の頃って、チヤホヤされたいとかまだ漠然としたイメージで夢を持っている人もいるのに、しっかりしていますよね。

深尾 いやいや、私も褒めてもらいたいですよ(笑)。でもそれより前に、何にも縛られていない作品や、自由な世界観にすごく惹かれるんです。そういうものを作っている人や、何かを表現している作品が好きですね。絵も好きだけど描くのは上手じゃないので、自分には合っていないジャンルもあるなと思っていて、私は身体を動かすパフォーマンスが向いていると思います。

バァフ 今は女優とモデル業をおこなう時があると思いますが、表現の仕方にどんな違いを感じますか?

深尾 私としては、結構違うと思っていて。モデルは、自分の綺麗で美しい部分を探して、そこを自覚してしっかり見せていくことで良い写真や動画になるし、観る方々にも興味を持ってもらえると思います。女優は作品のストーリーと役柄の感情を表現するから、辛くて泣いている場面や、怒っているシーンとか、美しい部分だけじゃない表情や感情を見せることが大事だと思います。どうしたら自分の身体を通してその気持ちや状況になれるのか?を一番に考えています。

バァフ 出演中のドラマ『私と夫と夫の彼氏』は、夫婦と夫の彼氏が同居するという、ちょっといびつな関係性の男女が主人公です。登場人物たちは現実と、常識や固定観念の間で悩みつつ、でもそこからどうやって自分に素直に生きるのかと考え、選択していきます。深尾さんは台本を読んで、物語自体にどのような感想を持ちましたか?

深尾 ある夫婦と男性同士の恋愛の三角関係というのは、今まで読んだことのないストーリーだなと思いましたし、私は堀田茜さんが演じる、奥さんの美咲先生に同情してしまいました。旦那さんの行動に対しては「なんでそうなるの?」って、ちょっとムッとするシーンもありました。でも、嫌いでもない奥さんを裏切ってでも、同性の男性が好きっていう気持ちが抑えられないのだとしたら、やっぱり素直に生きるのが一番なのかなとも感じました。

バァフ 演じるのは美咲の生徒・莉愛役です。どういう女の子だと思って演じましたか?

深尾 これまではクールでちょっと意地悪な感じの女の子役が多かったんですけど、莉愛ちゃんは明るくてキャピキャピした等身大の高校生だったので、今までやってきた役と全然違って苦戦しました。私は、何でも考え過ぎてしまうというか、どちらかというと思い詰めて暗くなりがちなので、今回は自然に明るい芝居というのが難しくて。美咲先生とのシーンがほとんどなんですけど、莉愛のストレートな言葉で先生がハッとするような気付きを与えることも必要だったので、2人のコントラストを大事にしました。莉愛と先生は似ているところがあるから、お互いに気になっているのかもしれないですよね。堀田さんは本当に優しくて、私の不安がないように声を掛けてくれて、本番に向けて役の良い距離感を作ってくれました。現場に行ってみないと掴めないこともあるけど、普段はどういう女の子なんだろう?と、描かれていない彼氏との場面も想像しました。少し前までは感覚で演じていたんですけど、それだと芝居をしていて心地が悪いなと思う瞬間がでてきたんです。考えるようになってからはより悩むようにもなりましたけど、相手の方に合わせて自分が役に入り込めていたか、入り込めてなかったのか、分かるようになってきました。どうすれば改善できるのかは、今も考えている最中です。

バァフ 今日の撮影を拝見していて衣装やヘアメイクもお好きなのかなと思ったのですが、それも芝居の助けになることはありますか?

深尾 普段から洋服もヘアメイクも好きですし、下北沢の古着屋に友達と買い物に行ったりもします。興味があるからかもしれませんが、やっぱり衣装を着ると、不思議と役に入れるような気がするんです。私は衣装でかなり気合いが入る方だし、気分を変えられるのもファッションの良いところですよね。いつもはカジュアルな服装が多いので、今日みたいに少しモードっぽい服は新鮮でテンションが上がりました(笑)。

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『私と夫と夫の彼氏』
監督/常間地裕、佐々木梢(PROTX)、七字幸久
原作/『私と夫と夫の彼氏』綾野綾乃〈コアミックス〉『ゼノン編集部』連載中
出演/堀田 茜、古川雄輝、本田響矢、岡本 玲、永田崇人、深尾あむ、他
毎週水曜深夜3時20分より〈テレビ東京〉にて放送中、『U-NEXT』にて配信中
©テレビ東京

 

【WEB SITE】
www.tv-tokyo.co.jp/otokare

INFORMATION OF AMU FUKAO

〈NHK〉Eテレ『NHK短歌』出演中。
〈テレビ東京〉ドラマNEXT「みなと商事コインランドリー2」出演中。

 

【WEB SITE】
topcoat.co.jp/amu_fukao

 

【インスタグラム】
@amufukaofficial

 

【Twitter】
@amufukaofficial

 

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深尾あむ サイン入りチェキ(1名様)

 

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