「結末は悲劇ですが、過程は面白い」高杉真宙が挑む『ロミオとジュリエット』のテーマはいかに世界を広げるか?
ウィリアム・シェイクスピアによる戯曲『ロミオとジュリエット』を今、この日本でやるということ。何を届けるのか、届けたいのか?ということ。ロミオ役として主演する高杉真宙は、ロミオとジュリエットがいる世界をもっと広げたいと言う。2人には縮こまってほしくない、2人を邪魔する壁を突き破ってほしい。高杉のそんな願いを聞いていると、これはもしかして我々へのメッセージが背景にあるのではと考えてしまう。繰り返しの毎日を送るうちに、視野が狭くなったり、会う人が決まってきたり。「どうせここでは」と諦めたり、目の前の楽しいことに逃げてしまったり。けれど一歩踏み出せば、世界はもっと広くて、いろんな人がいて、いろんな考えがあるのだと気付く。気付いて然るべきだ、そこに人の成長の伸び代はある——高杉をはじめとする今回のカンパニーがどんな『ロミオとジュリエット』を作ってくれるのか、高杉との対話を通して期待値が高まった。