藤原季節の主演作『東京ランドマーク』、『たかが世界の終わり』が『第33回映画祭TAMA CINEMA FORUM』にて上映決定
俳優・藤原季節の主演作『東京ランドマーク』、『たかが世界の終わり』の2本が、『第33回映画祭TAMA CINEMA FORUM』にて11月19日開催の「デビュー10周年記念 藤原季節特集 in TAMA」、さらに〈シネ・リーブル梅田〉、〈アップリンク京都〉での上映が決定した。
2018年に撮影がスタートした『東京ランドマーク』は、当時25歳だった藤原が初主演し、監督・脚本の林 知亜季が所属する映像製作集団「Engawa Films Project」(2008年に林、俳優の柾 賢志、毎熊克哉、佐藤考哲で結成)が手掛けた自主制作映画。夢も目標もなく淡々と日々を生きる楠 稔(藤原)と、ニートで稔の自宅に出入りする親友・小田岳広(義山)が家出中の女子高生・桜子(鈴木セイナ)と出会うところから物語は始まり、映し出される生活音や人々の距離感、彼らの視点、言葉の温度、そのどれもがリアリティに満ちている。本作は劇場公開予定がなかったものの、藤原のデビュー10周年を記念し今年の9月に〈テアトル新宿〉でおこなわれた特集上映で、約5年の歳月を経て初公開を果たした。上映後、「当時の自分たちにしか撮れない作品で特別な思い入れがある。できれば全国上映に持って行きたいです」と展望を語っていた藤原にとって、『TAMA映画祭』、関西地域での劇場公開は、さらなる広がりへと繋がる大切な一歩となるだろう。
同じく特集上映内で劇場初公開となった『たかが世界の終わり』は、コロナ禍で配信演劇が増加していた2020年10月、閉鎖された劇場での一度限りの無観客上演の様子をリアルタイムで配信した自主制作演劇。1時間50分の会話劇を1台のカメラでアグレッシヴに追い、閉鎖的な空間で俳優陣が放出する熱と緊張感はとてつもなく濃密だ。主演の藤原は、長年会うことを避けてきた家族に自身が余命わずかであることを打ち明けようとするも、どこまでも噛み合わない会話によって想いが阻まれてしまうルイを演じている。
制作を手掛けた「第7世代実験室」の『YouTube』チャンネル(ダイナナチャンネル)では、日々劇場に集い作品を立ち上げていくと同時に、「本当にこの企画をやるべきなのか」と悩み葛藤する俳優たちの姿を記録した舞台裏ドキュメンタリー映像も公開中。ぜひ上映と合わせてチェックしてみてほしい。
そして嬉しいことに、11月19日の「デビュー10周年記念 藤原季節特集 in TAMA」では、2作品それぞれの上映後のトーク・イヴェントに藤原の登壇も決定! 言葉を丁寧に紡ぐことでも知られる藤原だが、全霊をかけて作品と向き合い続けた想いをいかにして語るのか。9月の〈テアトル新宿〉での特集上映時も満席が続いた彼だけに、生で言葉を受け取れる貴重な機会となりそうだ。