出演する映画『スイート・ホーム』から家族の話、はたまた「人生攻略」についてまで、窪塚洋介が語り尽くす
相変わらず、心地いい風を纏って現れた窪塚洋介。出演する映画『スイート・マイホーム』の取材日、複数媒体によるどんな質問にも惜しみなく答えている姿を見ていると、「与えるからこそ与えられる」といった言葉が浮かんでくる。というのも、彼の昨今を見ていると、俳優としての活動はもちろん、『YouTube』で『今をよくするTV』(「コドナの社会見学」と称して体内環境や地球環境を良くするために活動するスペシャリストの元を訪れる番組)をやったり、趣味のゴルフに投じる様子を発信したり、『Instagram』で大勢の仲間たちと楽しそうに飲んでいる様子や家族と過ごす姿をアップしてくれたりと、羨ましいくらいに充実した日々を送っているように見える。前向きなことの裏には人知れずの苦労もあるはずだが、窪塚洋介が放つ陽気な気前の良さみたいなものをいざ目の前にすると、自分が得た見識を羽ぶりよく外に出し、それを大勢の人と共有しようとしてくれる精神の持ち主だからこそ、人は集まるのだし、気持ちのいい空気が彼の周りを循環しているのだと納得する。空気を澱ませないようにするのはひとえに自分次第だ。
空気の循環の話と強引に結びつけるつもりもないが、淀んだ精神には淀んだ空気が漂う、その怖さを体感させてくれたのが、映画『スイート・マイホーム』だ。「まほうの家」と謳われ、地下の巨大な暖房システムで家全体を温めてくれる「念願の一軒家」を購入した清沢賢二(窪田正孝)は、妻のひとみ(蓮佛美紗子)と幼い娘たちと、極寒の地でも快適に暮らしていた。しかし、ある不可解な出来事をきっかけに、周囲で変死事件が起こり始めるなど、不穏な空気が家族を包み込んでいく。窪塚はそこで、誰よりも早くその家のヤバさに勘付く賢二の兄、聡を演じた。「監視の目」に怯えながら実家で引きこもりのような生活を送る聡だからこそ気付けたこととは? 俳優でもある齊藤 工監督が抉り出したのは、人間に巣食う底知れぬ欲望と絶望だった。