藤原季節の幻の初主演映画『東京ランドマーク』が公開。大切な仲間と紡いだ青春の物語を毎熊克哉と語る
俳優の藤原季節がデビュー10周年を迎えた昨年、『デビュー10周年記念 藤原季節特集』と銘打った特集上映が〈テアトル新宿〉で2週間限定のレイト・ショーとして開催された。劇場公開初となる配信舞台『たかが世界の終わり』をはじめ、ラインアップしたのは彼のキャリアを語る上では欠かせない映画の数々。この時、制作から約6年の歳月をかけて初めて封切られたのが、撮影当時25歳の藤原による映画初主演作『東京ランドマーク』だった(大きな話題を呼び、後に『TAMA映画祭』、〈シネ・リーブル梅田〉、〈アップリンク京都〉でも上映)。映画を手掛けたのは、映像制作集団「Engawa Films Project」(通称・エンガワ)。本作で脚本・監督・撮影・編集を担当した林 知亜季(ともあき)、俳優の柾 賢志、毎熊克哉、佐藤考哲から成り立ち、藤原、そして共演の義山真司とは10年以上の付き合いとなる。
物語は、コンビニのバイトで生計を立てる楠 稔(藤原)と親友のタケ(義山)、そして家出中の女子高生・桜子(鈴木セイナ)が出会うところから始まる。家族や友人、生きる上では切り離せない人と人の繋がり。先行きの見えない不安な日々にもがくこともあれば、変わらない存在に救われることもある 彼らの生活を通して心に広がっていくのは、身に覚えのある感覚ばかりだ。長く伸びた前髪から覗く稔の瞳は、観賞後しばらく経った今も忘れることができない。
『東京ランドマーク』は、5月18日より〈新宿K’s cinema〉から全国公開へと向けてさらに羽ばたいていく。昨年の特集上映から着実に歩みを進めてきた結果に何を思うのか、主演の藤原、そして本作ではプロデューサーとして奔走した毎熊に話を訊いた。2人の関係性が滲む写真と合わせてご覧いただきたい。