CULTURE

冨田ラボ / 冨田恵一プロデュース楽曲を集めた、11年ぶりとなるワークス・ベストがリリース

JUN. 30 2023, 11:00AM

対話 / 山崎二郎 構成 / 吉里颯洋

土岐麻子、V6、椎名林檎、高野 寛、藤原さくら、VIXX、Negicco、kiki vivi lily、bird、鈴木雅之、JUJU、Naz、牧野由依、森口博子、早見沙織、薬師丸ひろ子、スガ シカオ、矢野顕子、秦 基博へのプロデュース楽曲に、長岡亮介、YONCE、KIRINJI、坂本真綾、コムアイ、原 由子, 横山 剣, 椎名林檎, さかいゆう、Emi Meyer、磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS)、AAAMYYY(Tempalay)、TENDRE、吉田沙良(モノンクル)、Ryohu(KANDYTOWN)がフィーチュアリングされた冨田ラボの楽曲と、新曲で構成された、ワークス・ベスト第2弾『冨田ラボ / 冨田恵一 WORKS BEST 2 〜beautiful songs to remember〜』を6月21日にリリースした冨田ラボ / 冨田恵一。年齢も音楽性も横断したラインアップに驚かされるが、一聴して、冨田ラボ / 冨田恵一と分かるところが、更なる驚きを感じさせる。7月15日には、20周年記念イヴェント『冨田ラボ 20th Anniversary Presents “HOPE for US”』を開催。常にサウンドを「更新」してきたからこそのエヴェーグリーンさ。一見、相入れないことが、心地よさをもって共存するところに冨田ラボ / 冨田恵一サウンドの魅力がある。じっくり、その変遷を訊いてみた。

僕の場合は作曲してトラックを作って演奏もほとんど自分でやるっていうスタンスだから、サウンド・スタイルの更新は、想像以上に自分という人間を更新することと同義なんです

   『WORKS BEST 2』を聴いて改めて思うんですけど、確固たるスタイルを1回作った冨田ラボなら、そのままのスタイルを続けても需要はいっぱいあるのに、この10年間はあえて新しいトライアルを重ねてきましたよね。どんなモチヴェーションがあって、スタイルの変革に繋がっていったんですか?

冨田 今、おっしゃったようなことは、僕も今回、『WORKS BEST 2』を聴いていて、すごく感じたところなんですよね。この10年には新しいトライアルもいろいろあったので、変化は感じられるだろうとは思っていたけど、こうしてまとめて聴いてみると予想以上でしたね。振り返ると、『WORKS BEST 1』の収録曲は2010年ぐらいまでで、90年代から2000年以降のゼロ年代の楽曲が中心でした。その頃の僕は、いわゆる「シミュレーショニズム」という手法にこだわりがあって。70年代であるとか、モデルになる年代を決めて、デジタル的な手法も使いながら、「ある年代にどこかで誰かがやったかのようなサウンドに限定して作る」みたいなスタイルに取り組んでいたんですよね。だからこそ、ゼロ年代は、リアルタイムでヒットしている音楽のスタイルが自分の作品とはリンクしないというか、範疇にはなかった訳です。なんだけど、演奏家は別で、ジャズを中心に最先端の演奏家はリアルタイムでずっと追ってたので、その演奏家が関わっているリアルタイムのコンテンポラリーな音楽を聴くことになっていって。すると、そういった音楽には、ルーツ・ミュージックの魅力が世代を超えて継承されている良さもありつつ、なおかつアップデートされた新しさもあって。聴いていて高揚できるから、自分の創作の範疇に(この要素を)入れてしまおうと思ったのが2010年代くらい。具体的には、2013年リリースのアルバム『Joyous』くらいから、その片鱗、影響が少しずつ出てきて。2016年リリースの『SUPERFINE』では完全にそっちに振り切った感じで。リアルタイムの米ヒットチャートも含めて、コンテンポラリーなサウンドに接近したのはそのあたりからですね。

   これまでのスタイルに大きな変革をもたらすくらいの面白さって、具体的にはどういうことだったんでしょう? 当時のリアルタイムの音楽のどこに面白さ、新鮮さを感じたんですか?

冨田 そこだよね。具体的にはヒップホップということになってしまうんだろうけど、僕は完全に後追いで。90年代にも聴いてはいたけど、その頃はサンプルネタ自体にフォーカスしていましたからね。ネタにはシミュレーショニズムの対象になるものが多かったですから。あ、ウェザー・リポートのここ切り取るんだとか、なるほどスティーリー・ダンをこう使うのね、みたいな感じ。で、自分で作る時はその元ネタに大きく寄せたサウンドにしてしまうわけで。その頃はヒップホップの音像に興味がなかった。だけど、2010年代中盤に米チャートのほぼすべてがヒップホップの音像になったとき、自分の音楽との接点が見えたんですよ。シミュレーショニズム期は人力でサンプリングして新曲作ってたみたいなところがあるから、ドラムだけマシーンっぽくというか、新たな音像にするだけでもすごく新鮮で高揚できた。そこが大きいかな。そもそも、ヒップホップってサンプリングの文化でもあるから、過去の遺産とか、過去の歴史の上にアップ・トゥ・デイトなビートを強調するようなことを試みたりとかする訳で。そういう(元ネタありきの)スタイルの音楽だから、いざ自分でやってみると、思ったよりもそれまで自分のやってきたことと親和性が高かったんだよね。それでいて新鮮さもあるし。だから方向転換ではなくて、自分では「更新」だと思っているんだけど。結果的に、自分の表現のスタイルを更新するのに、ヒップホップへのアプローチが刺激になって、やってみたらすごく面白くなっていったというのが真実ですね。20年分くらい真面目にヒップホップを聴いてなかった訳だから、(年代順に深掘りして聴いていくと)また(ヒップホップの原点にまで)戻れる訳だよね。実際に戻って聴いてみると、ゼロ年代の音像はこうで、90年代は丸々サンプリングっぽかったりとか時代ごとの音像の違いを感じたり、また、スタイルの変遷を辿る面白さも出てきたりして。あとはそこからラップ自体にも興味が出てきたから。「このヒップホップの音像、カッコ良い」って思える音源にほとんどラップが乗っている訳だから、ごく自然な流れで自分の音楽に取り入れたいと思ってきたんだよね。

   そこは興味深いところですね。ご自分の楽曲にラップを導入するに当たって、何かエピソードはありますか?

冨田 最初は暗中模索で、普通に作曲というかメロディを作る時みたいに、「自分でこういうフロウにしたい」とか思っちゃう訳で。だけど、(実際のレコーディングで)ラッパーに、「このフロウでやって」ってことはあり得ないですから。試行錯誤を重ねつつ、何人かのラッパーとレコーディングをやっていくうちに、少しずつ勝手が分かってきた感じかな。「あのラッパーならこういうフロウが来るだろう」とか、ある程度予測はしながらも、基本はそのラッパーに委ねて、「もうちょっとそこは(こうして)」みたいな相談もしようと思えばできるということも分かってきたよね。

   実際僕も、新たなスタイルを提示した『SUPERFINE』を聴いた時、冨田ラボを改めてすごいと思いました。起用する新しい世代の方々も含めて、冨田ラボは此処に行くんだ!という驚きがありました。

冨田 おっしゃる通りで、起用するメンバーが様変わりしたことも結構大きな(スタイルの更新、変革が成功した)要因かもしれないですね。幸運なことに一緒にやりたい人、好きな人を自分のアルバムに迎えることがずっとできていたから、もう一緒にやりたい人がいなくなっちゃうんじゃないか?と昔は思っていたんですけど、そんなことはないっていう当たり前のことに気付いて。と言うのも、新しい才能もどんどん出てくるわけじゃないですか。あと2010年代中盤には『YouTube』なども一般的になっていて、レコーディングの仕事ばかりで外に出られない僕でも、新しい才能と出会うのが容易になりましたよね。『SUPERFINE』でゲスト・シンガーとして新しく迎え入れた人たちは、当時の新世代だけど、実際にコラボしてみて、「彼らの感覚が新し過ぎて、もう全然分かんない」ってことはなかったんです。ヒットしているリアルタイムの洋楽が思ったより自分の音楽と親和性が高いなと思ってスタイルを変えつつあったところに、彼らみたいな新世代が歌ってくれて、表現としてもすごく辻褄が合う感じがしたんですよね。新しい世代の人たちが、更新された自分のサウンド・スタイルにすごくフィットして歌ってくれるんじゃないかなという期待もありました。結果、割と思った通りにできたので、手応えは感じました。

   そこで冨田ラボの立ち位置が大きく変容して、それまではキャリアがあるアーティストのアナザー・サイドを見せていくようなコラボが主流だったのが、新しい才能をピックアップしていくプラット・フォーム的な役割を担うようになりましたよね。なおかつ、キャリアがある方たちとニュー・フェイスの双方がアルバムに参加するという人選が新鮮でした。

冨田 それが実現したのはもちろんラッキーだったというのもあるんだけど、『SUPERFINE』の制作時にそう思ったんですよね。例えばコンテンポラリーなアプローチも取り入れずに以前のままのスタイルで『SUPERFINE』を作ったとしたら、そこに新しいシンガーを迎えても、割とスタンダードなアプローチで歌っているシンガーしか迎えなかったような気がするんですよ。だけど、自分のやりたいアプローチが変わってきたから、例えばコムアイさんみたいな方にフィットする曲ができたりとか。スタイルを更新していく中で変わりつつあった自分の作りたいものと新たなシンガーとの出会いということで言えば、うまく歯車が噛み合ったような気がしましたね。僕の場合は作曲してトラックも作って演奏もほどんど自分でやるっていうスタンスだから、サウンド・スタイルの更新は、想像以上に自分自身と言うか、自分という人間を更新することと同義なんです。「今の流行りがこうだから、こういう人を連れてきてやらせよう」っていうんじゃなくて、意識が変化するにつれ演奏やトラックも更新されて、そこにベストマッチなシンガーを迎え入れられたことが刺激的でした。

   この年齢にして、従来のスタイル、それもステイタスのあるものを更新するって、なかなかできないことだと思うんですよ。そこにこそ、冨田ラボのすごさがあると感じています。

冨田 ありがとうございます。でも僕の場合、作曲、演奏みたいな主観中心のところから、ミックス、ヴォーカル・ディレクションという客観的というか俯瞰で見ざるを得ない工程まで自分の範疇にあるので、更新するところ、継承するところのバランスも割と俯瞰で見ているかも知れない。だから、全体としてはうまくバランスが取れていて、(それ以降もスムーズに)活動ができているのかなっていう気はしますね。そう言われると、プロデューサー自身が自分のサウンドを更新していくっていうのは、そんなに実例がない、レアなことなのかもしれないですね。

   パソコンで言うなら、OS自体を入れ替えるぐらいの大きな変革ですよね。

冨田 確かに手間がかかることではあるんですが、それが楽しくてのめり込めるからこそ、実現できていることではあるんですけどね。あとやっぱり、外注でいただくアレンジやプロデュースの仕事と冨田ラボ名義でおこなう自分の創作活動には、明確な線引きがあって。あるオファーがあって扱う楽曲がバラードなら、これは「Everything」的なサウンドが求められている曲だなっていうのは曲を聴けば分かる訳で。もちろん、外注のアレンジなりプロデュース仕事の場合は、それがベストだと思えば(オーダー通りに)やりますし。そういう(職人としての)スタンスはありつつ、長い目で見た時に、冨田ラボというのは自分の興味を率先させてやった方が、自分のためにも冨田ラボのファンや、それ以外のリスナーの方にも頷いてもらえるものができるんだろうなとは思っているので。そこが冨田ラボでやる時の譲れない一線ではあると思うんですね。だけど、冨田ラボではゼロ年代の(一時代を築いた王道的な)バラードのサウンドがフィットするような曲はあまりやらなそうな気はするんですよね。なぜなら、冨田ラボの場合は自分で曲を書くので、最初からそういうタイプの曲は候補から外すことの方が多いから。まぁ、全くやらないとは思わないけどね。

   冨田ラボと所縁の深いメンバーの曲でいうと、「夏の亡霊 feat. KIRINJI」はどんな流れで実現した感じですか?

冨田 今回、7月15日に開催する『冨田ラボ 20th Anniversary Presents “HOPE for US”』にKIRINJIが出てくれることになって、デジタル・シングルとしてリリースしたこの曲でも歌ってくれることになったんですよ。僕は作詞家としての堀込高樹くんもすごく高い評価をしているので、当然、作詞も一緒にオファーする予定で。ところが、KIRINJIは自作の制作があって「すいません! 歌は歌えると思うんだけど、歌詞を書く時間がありません」ってことで。高樹くんが歌う曲の歌詞を彼自身が書かないって、そもそも前例がないんですよね。他のアーティストが歌う冨田ラボの楽曲でさえ彼に作詞を頼んできたのに、高樹くん本人が歌う曲の「歌詞はどうしようか?」みたいな相談をした時に、彼が「職業作詞家の歌詞を歌うのはどうですかね?」って言ってくれて。その選択肢も面白いなと思って、僕が森 雪之丞さんの名前を出したの。そしたら、高樹くんも「好きです」っていうリアクションで、雪之丞さんとのコラボが実現したんですよね。

   森 雪之丞さんの独特の言葉遣いのリリックを冨田ラボのトラックで彼が歌うっていうのが非常に新鮮でした。

冨田 面白いよね。高樹くんが書かないタイプの歌詞ではあるんだけど、やっぱり歌詞を書く人だけあって、こういう歌詞ならどういう歌唱がいいかっていうアプローチもすごく的確だなと思ったし。結果として、面白くできたなと思いましたね。

   新曲の「for YOUR BUDDY」は、これほどキャリアの長い人が創る音像なのに思い切りシェイプされていて、1個1個の音が吟味されつつ、引き算の美学も感じられるサウンドが魅力的でした。

冨田 ありがとうございます。これは一番最後に作った曲で、歌はサンプリングなんですよね。前作『7+』のいろんな曲が(素材として)入っていて、1文字ずつサンプリングして作ったんですよ。このアルバムでは最後に作った曲でもあって、ちょっと『7+』とも繋がっているところもあるんです。思い返すと『7+』に入っている「MAP for LOVE」は、コロナ禍の初期に中止になってしまったライヴに出演するはずのメンバーで、チャリティー用に宅録でデータを集めて作ったっていう経緯があって。『7+』から今回のベスト・アルバムに選んだ「HOPE for US」も4人のシンガーとラッパーのRyohuさんの多人数で歌うっていうフォームになったので、この流れで、多人数で歌うような楽曲をまた創ろうかとなりました。あとは、冨田ラボの曲って83と84と82とか、BPM80近辺が非常に多いので(笑)、この曲は早めのテンポにしようとは考えたのかも。

   藤原さくらさんが歌う椎名林檎さんのカヴァー曲「茜さす帰路照らされど・・」は、サウンド・スタイルを更新したからこそのアップ・トゥ・デイトなアレンジが魅力的でした。

冨田 原曲は、結構、前(『無罪モラトリアム』(1999年)収録)に発表されたんですよね。オリジナルを聴いた時に、90年代の終わりとか、ゼロ年代っぽいテイストというか、記号的にそういったエレメントが詰め込まれている曲に聴こえて。具体的にはコード感とかバンド・サウンドのひずんだ感じが、90年代終わりからゼロ年代の象徴的な音に聴こえたんだよね。だから林檎さんの作るメロディはもちろんそのままなんだけど、基本的に時間の流れ、サイズもそのままで、中身と言うか、演奏のアプローチ、音色、コード感、リズムなどは全部、経過した年代分だけアップデートしようと思って創ったのを覚えています。

   魅力的なカヴァーをさらに挙げると、JUJUさんが歌う「人魚」には、すごく批評性を感じたんですよね。リリースされた2014年の時代背景も含めたテイストでサウンドが構築されていて、今聴いてもどこか違うところに連れて行ってくれるような趣があって。

冨田 確かにあの曲のサウンドには、クリティカルな部分はあるかもしれないですね。まさに今、「批評性」っておっしゃっていたけど、僕がカヴァーをやる時にはやっぱりそうなっちゃうんですよね。ゼロ年代って確か、カヴァーの仕事はほとんど断っていたんですよ。そもそも、アレンジするに当たって自分なりの批評性で原曲を解釈しなければ(思うレヴェルでカヴァーのアレンジは成立しない)ということもあって、「この曲好きなんだよね」っていうリスナーが聴いた場合に、僕くらいアレンジを明確に変えちゃうと、原曲を好きな彼らにとっては「え、自分が好きなテイストはこんなんじゃない!」ってことになっちゃうじゃないですか。それが見えていたんで、ゼロ年代は「カヴァーの仕事はやりません」って周囲に言っていたんです。そういう中で、今回収録した「人魚」と「茜さす帰路照らされど・・」は、2010年代ぐらいからカヴァーの仕事も徐々にやるようになってきた中からピックアップした曲で。ただ、僕がやるからには、何かしらの意味がないと、ただ歌い手が変わっただけのカラオケみたいになっちゃってもうしょうがないなっていう気持ちもあって。

   実際のところは、そういうカヴァーもありますし。

冨田 いっぱいありますよね。オリジナルが好きな人はオリジナルを楽しめばいいと、僕は思うんですよね。JUJUさんが歌うカヴァーを僕が創るなら、彼女が歌っていい感じに聴こえるようにしたいのは大前提で、アプローチとしては、JUJUさんがこの曲を歌ってこの年にリリースするのにふさわしい、アップ・トゥ・デイトなコンセプトは提示したいですよね。自分がカヴァーを手掛ける場合、自然とそういう創り方に至るのかなと思いますね。

   先ほど、ヒップホップを聴くうちにラップにも関心が高まってという話が出ましたけど、冨田さんの言葉に対するこだわりが、どこにあるのか知りたいところなんですよね。

冨田 自分では歌詞を書かずにずっとやってきましたし、そんな読書家でもないけど、やっぱり音楽における言葉の重要性はすごく感じているというか、とてつもなく重要だという認識ですよね。

   楽曲の中で歌詞は大きなピースっていう位置付けですか?

冨田 大きなピースですね。やっぱり、自分が創る音楽の中で歌詞の比重は大きいよね。言葉によって楽曲が台無しになっちゃう場合もあるし、メロディに言葉が乗った途端に楽曲の魅力が半減するような例もいろいろ見てきましたから。だから僕の場合は自分で作詞をしない分、作詞家の人選の時点で勝敗が決まっちゃうことが多くて。あとはあくまでも歌詞のクオリティ、特に言葉とサウンドとの融和性をすごく重要視していますよね。もちろん歌われている内容であるとかアプローチであるとか、韻を踏むとか、ストーリーの伏線回収とか、作詞上のテクニカルなところも重要なんですけど、メロディに対してどう言葉を乗せているかとか、曲の構成の中でどのパートで何を言っているかとか、1コーラス、2コーラスと展開していく中でどれくらい表現に膨らみがあるかとか、重要視しているポイントはありますね。だからこそ、そのあたりのスキルは間違いない人に最初から頼むことにしているので、(レコーディングの現場で)歌詞を大きく直すことはないんですよ。歌詞が届いて、全取っ替えとか書き直しなんて言ったことは全然なくて。結果として歌詞の仕上がりが期待通りになっているのは、人選の時点でスキル的に安心できる人に頼めているからこそ、かもしれないですね。

   お会いしたらお伝えしたいと思っていたんですが、2021年11月6日、〈日本武道館〉での『風街オデッセイ2021』での冨田ラボ・プロデュースのコーナー、めちゃくちゃ素晴らしかったですね。

冨田 ありがとうございます。ちゃんと冨田ラボ/冨田恵一としてワン・コーナー用意してくれて、ありがたかったですね。まさか自分のアレンジした曲を井上 鑑(Key)さんとか山木秀夫(Dr)さんたちと同じステージに立って、自分がプレイヤーとして演奏しつつライヴやるなんて、もう想像もしない世界だったから、本当に楽しかったね。ハナレグミの永積 崇くんと「眠りの森」を演奏できたのも久しぶりだし、あと、「真冬物語」をあの3人(畠山美由紀・永積 崇・堀込泰行)と演れたのもすごく楽しかったし。

   松本 隆さんの長いキャリアの一部を切り取ったコーナーじゃなくて、あくまでも「フィーチュアリング・冨田ラボ」というコンセプトのステージだったことが1ファンとしてすごく嬉しかったんですよね。

冨田 僕も嬉しかったですね。あんなコーナーを用意していただいて、非常に光栄でした。実は、〈日本武道館〉のステージに立ったのはあれが初めてで。

   間近に迫ったアニヴァーサリー・ライヴ「冨田ラボ 20th Anniversary Presents “HOPE for US”」にはめちゃくちゃいいメンバーが集うし、楽しみですね。今回のライヴ、何か区切り感とかあるんですか?

冨田 まだ誰にも言っていないんだけど、ちょっと考えている構想があって。もしかしたら、それが区切り感といえば区切り感なのかもしれないですね。

   どんな新しい景色を見せていただけるのか、期待が高まりますね。ライヴ、楽しみにしています!

冨田 ありがとうございます。ぜひ楽しみにしていただければ。

『冨田ラボ / 冨田恵一 WORKS BEST 2 〜beautiful songs to remember〜』
発売中
〈ビクターエンタテインメント〉

www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VICL-65825.html

INFORMATION OF TOMITA LAB.

20周年記念イヴェント『冨田ラボ 20th Anniversary Presents “HOPE for US”』を7月15日〈TOKYO DOME CITY HALL〉にて開催。出演は冨田ラボ、KIRINJI、TENDRE、YONA YONA WEEKENDERS。冨田ラボのゲスト・シンガー&ラッパーは、磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS)、AAAMYYY(Tempalay)、TENDRE、長岡亮介(ペトロールズ)、長塚健斗(WONK) 、bird、藤巻亮太、藤原さくら、ぷにぷに電機、堀込高樹(KIRINJI)、Ryohu。
www.red-hot.ne.jp/sp/tomitalab

 

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