藤原さくらがニュー・アルバム『AIRPORT』をリリース。2つのソングライティングのスタイルの振れ幅が響く
藤原さくらのスタイルに魅せられている。元々は弾き語りのソングライティング・スタイルに加え、前作の3rdアルバム『SUPERMARKET』からトライしたトラックに誘発され、メロディ、ときにはポエトリー・リーディングにも近いフロウが歌われていくというソングライティング・スタイル。それらが離反しておらず、振れ幅となって、結果、心地良く響いてくる。2021年リリースの「Kirakira」、大滝詠一の名曲「君は天然色」のカヴァー、愛のスコール50周年 50Loveキャンペーン・ソング「mother」、Yaffleプロデュース「わたしのLife」、昨年11月にリリースした「まばたき」らのシングル曲に、斉藤和義との共作「話そうよ」他、全12曲で構成された、この5月にリリースされたニュー・アルバム『AIRPORT』では、そのスタイルがさらに進化を遂げている。圧巻なのは、初のプロデュース・アレンジをおこなった「放っとこうぜ」。まるで、ビー玉が空中に舞っているような、自由かつポップな音像が素晴らしい。数々のアーティストとコラボレーションをおこなってきた彼女が、自分なりのプロフィール・スタイルを開花させていく一歩とすれば、さらなる振れ幅の大きさを期待せずにいられない。