小袋成彬が4thアルバム『Zatto』をリリース。ロンドンの風土からインスピレーションを受けた小袋が成す、ジャパニーズ・ソウルの可能性とは
繊細でありながらも力強い歌声と巧妙なアレンジ・スタイル。1stアルバム『分離派の夏』で、小袋成彬の類まれな才能を十二分に感じた人も多いだろう。今回インタヴューをおこなったバァフアウト!編集長・山崎二郎もその1人。芸術的とも言えるオリジナリティに心を奪われ、彼の楽曲が日本の音楽シーンに衝撃と新鮮さを与えていることを確信。その確信を裏打ちするかのように、『分離派の夏』は「第11回CDショップ大賞2019」にノミネートされ、以降の作品もリリースされる毎に大きな話題を呼んだ。
日本で着実にキャリアを積んでいた小袋だが、2019年にロンドンへ移住。活動拠点を完全に海外へと移した。4thアルバム『Zatto』は実に3年ぶりのリリースであり、デビュー以来、J-R&Bのフロントラインを押し進めてきた彼の意欲作でもある。ロンドンでの生活を通じて得たインスピレーションの集大成と言える今作で、小袋が表現する“雑踏”とはどのようなものなのだろうか。現地で活躍する多数のミュージシャンを交えての制作について、そして近年影響を受けた音楽まで幅広く訊いた。