新たな吉川 愛に出会えた、ドラマ『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』
昨年末の『バァフアウト!』本誌での取材から間をあけず、吉川 愛への取材が叶った。前回のインタヴューでは、舞台『レイディマクベス』から得た経験や苦悩なども明かしてくれたのだが、この度〈Prime Video〉より世界独占配信される『Amazon Originalドラマ「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」』に対しても、表現に辿り着くまでの悩みは大小問わず幾多にも折り重なっていたという。子役からスタートした十分なキャリアを持ってしても、安心や充足を得られることはない。どのような作品に於いても吉川が悩み考え続けるのはきっと、芝居に対する純粋な想いがいつまでも色褪せないからではないだろうか。口にするまでは複雑な心の内を微塵も感じさせない、気風の良さもまた魅力的である。
三木孝浩監督が手掛ける『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』は、ゲームオタクの大学生・犬飼忠士(通称・ハチ/佐野勇斗)と、ハチが唱えた呪文によって人間界に舞い降りた妖怪・イジー(吉川)との恋を描く、妖怪ファンタジー・ラヴコメ。500年越しの復讐を果たすためなら殺人も厭わないイジーは、とにかく本能的だ。しかし裏を返せば、駆け引きや打算など人間的な要素がないゆえに、何でも素直に反応し吸収していけるということでもある。吉川はそうした性質を的確に捉え、時になりふり構わず食らいつきながら、濃度高くイジーを立ち上げていた。