映画『GOLDFISH』について永瀬正敏×北村有起哉の初対談! それぞれが思う“反骨心”とは?
1978年に結成されたパンク・バンド、亜無亜危異(アナーキー)のギタリストである藤沼伸一の初監督作品『GOLDFISH』が公開中だ。亜無亜危異ひいては監督自身が経験してきたことすべてをモチーフにしたという本作は、10代でデビューするもメンバーの傷害事件などで活動休止となったパンク・バンド、ガンズが30年後に再結成を目指す物語。スタジオ・ミュージシャンとして唯一音楽で生計を立てる主人公イチ(永瀬正敏)は頼もしいがどこか諦め気味。しかし「一山当てようぜ」と限りなく楽観的なアニマル(渋川清彦)に背中を押され、テラ(増子直純/怒髪天)、ヨハン(松林慎司)と次第に仲間が戻ってくる。唯一ネックだったハル(北村有起哉)もやる気を取り戻したかに見えたが、バックドアマン(町田 康)がハルに忍び寄っていた——年齢を重ねると、純粋さや理想が削り取られてしまうようなことが続き、社会の一員として生きるだけでも一苦労だが、アジャストできないような不器用さは時に強力な武器となり、音楽や映画などに形を変える。人を鼓舞し、問題を投げかけ、「今を生きろ」、「自分の頭で考えろ」と訴える。バンドマンとして理想通りに生きることは今の時代、なおさら困難に近いかもしれないが、夢を追い求める姿に励まされない人はいないだろう。永瀬と北村に話を訊いた。