CULTURE

〈BMSG〉所属の現役高校生トレーニー、RUI、TAIKI、KANONがEP『Forked Road』をリリース。収録曲から見えた彼らの目指すアーティスト像とは

DEC. 24 2024, 11:00AM

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文 / 白土華乃子

BE:FIRSTやMAZZELが所属する〈BMSG〉の現役高校生トレーニー、RUI、TAIKI、KANONが、11月11日にEP『Forked Road』を配信リリースした。ポケモンアニメ『POKÉTOON』の新シリーズ・タイアップ・ソングでもある「Forked Road」は、〈BMSG〉の代表であるSKY-HI自身が制作に携わっているナンバー。「今後、人生の大きな転換期を迎えるであろう彼らのお守りになるようにと、僕から願いを込めて綴った(SKY-HI)」とコメントしているように、背中を押してくれる応援歌のような1曲だ。その他、3人それぞれが制作を手掛けた「Make you…」(KANON)、「24/7」(TAIKI)、「星が会うその日まで」(RUI)を収録。高校生である今しか感じ得ない青春を描いた内容となっている。

 

RUIとTAIKIはSKY-HI主催のオーディション『THE FIRST』をきっかけに、KANONはMAZZELを生み出した『MISSIONx2』への参加をきっかけに〈BMSG〉に所属し、トレーニーの主格として活動をしてきた彼ら。音楽へのたゆみない愛情を自身の制作やパフォーマンスへ昇華し、10代ながらにリスナーを魅了する実績と実力を様々な舞台を通して積んできた。今回は3人の現在地が存分に詰まったEPのことを中心に、音楽と共に生きる彼らの深部に迫っていきたい。

いろんな人に認めてもらえるような1曲を作りたい(TAIKI)

バァフ 本作は、「出会い、別れ、友情、恋愛など、高校生ならではの今しか産まれない青春の成長を切り取った作品」とのことですが、表題曲「Forked Road」はまさにその要素をすべて詰め込んだ応援歌のような楽曲です。(取材時)リリースされて2週間ほど経った現在、改めてどのような楽曲だと感じていますか?

TAIKI 「Forked Road」はデモの時点で、これは100%良い曲になるなという確信がありました。実際に、僕たちにとってもファンの方にとっても大切な曲になったと思いますし、メッセージ性も強いので皆さんの支えになるといいなとも思っていて。『Instagram』で「曲を聴いて泣いた」と言ってくださる方がたくさんいるんですよ。ライヴでパフォーマンスした時も、泣いてくださる方がいて。僕たちの想いをストレートに届けることができる曲なんだと、改めて実感しました。『Forked Road』はトレーニーである僕たちの集大成という作品になればいいなと、今は思っています。

バァフ デモを聴いた時の第一印象はいかがでしたか?

TAIKI 最初は歌詞が入っていないメロディだけのデモを聴いたんです。その時点で、曲全体の物語が見えてくる感覚がありました。

KANON 元々、ポケモンとのタイアップ・ソングというのは聞いていて。それを踏まえてメロディのみのデモを聴いたら、楽しい曲だなという印象を受けたんです。まさにこれはポケモンの世界観だなと。でもやっぱり、歌詞が入ると曲のイメージがすごく変わりました。

バァフ メロディと歌詞とのギャップを感じたんですね。

TAIKI そうですね。なんだろう……笑い泣きみたいなテンションを感じました。ニコニコ笑っているわけでもなく、かといって感動して泣くわけでもなく、目の前がパッと開けた感覚というか。泣いた後のような印象に変わりました。

KANON 雨上がりに晴れて、虹がかかった空みたいな感じですね。

バァフ SKY-HIさんからのコメントにもあるように、10代の今だからこそ刺さる歌詞だったのではないでしょうか?

KANON もう刺さりまくりです。『BMSG FES’24』の時に、TAIKIのワン・バース目のところが響きすぎて。TAIKI自身もあの時、響いていたよね。

TAIKI 僕も自分で歌いながら、この歌詞やばいなって(笑)。

KANON その場で3人ともウルっときていましたね。

バァフ 〈怖くても 寂しくても 自分に火をつける理由を見つけろ〉という歌詞にあるように、ご自身に火をつけてくれるものだったり、活動をする上での活力は何かありますか?

KANON 僕は歌うことが本当に大好きなので、歌を自分の職業にできているということがそもそもの活力なのかなと思います。もっと上手くなろうと思えるし、もっと良い音楽をファンの皆さんに届けたいというのもモチヴェーションになっています。

RUI 僕は電車に乗ったり散歩するのが好きで。だから今は、電車の音とか生活の中で見聞きして感じることが活力になっているんじゃないかなと思います。

TAIKI 音楽が大好きだから、音楽を聴くことが活力というか。音楽に触れていればそれが活力になって、自分の音楽にも落とし込むことができているように思います。

バァフ 本作は「Forked Road」に加え、皆さんそれぞれが手掛けられた楽曲、「Make you…」、「24/7」、「星が会うその日まで」が収録されています。まずは、KANONさんから「Make you…」についてお伺いできればと思うのですが、制作の着想はどこから得ましたか?

KANON 歌詞に関しては、こういうテーマで書こう、というのは決めていなかったんです。元々、この曲はREIKOが溜めていたうちの1つで。それを聴いて、このトラックとトップ・ラインすごく良いなと思って。その時はワン・バース目とフックのところしか存在していなかったんですけど、この続きを作ったらめちゃくちゃ気持ち良い曲になるだろうなと感じたんです。で、レイちゃんに「この曲、ほしいです」と言ってもらいました。2番のバースを作っている時に、R&Bといったらラヴ・ソングだよなと考えて。メッセージ性よりも気持ち良いリズムで歌うことを優先して、言葉や音の運びを重視しながら作詞していきました。

バァフ メロウな曲調で、切ない歌詞もR&B特有の世界観をより引き立たせているように感じました。KANONさんにとって、REIKOさんはどのような存在ですか?

KANON 元々トレーニーとして一緒に活動してきた仲間なので親近感もありますし、好きな曲のジャンルも似ていて。お兄ちゃんみたいな存在のレイちゃんと一緒に作ることができてよかったなと思います。

バァフ KANONさん自身は、元からR&Bに影響を受けているのでしょうか?

KANON そうですね。ジャンル問わずいろんな曲を聴くんですけど、やっぱり気持ち良いなと思うのはR&B。好きなアーティストでいうと、マイケル・ジャクソンやブルーノ・マーズ。ブラック・ミュージックが好きなんですけど、その音楽に影響を受けているチャーリー・プースやジャスティン・ティンバーレイクも好きです。

バァフ ご自身が影響を受けている音楽が「Make you…」にも色濃く表れているように感じます。アーティストのみならず役者としても活動をされていますが、来春には主演を務める映画『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』の公開が控えています。

KANON 役者の夢は、幼稚園の時にドラマ『コドモ警察』を観て抱いたんです。夢を追うために劇団に入り、そこで歌やダンスを学んでスキルを身に付けていきました。映画の撮影自体はめちゃくちゃ楽しくて。緊張もしましたし、何もわからなかったので周りの方に色々とアドヴァイスをいただきながら、皆さんのサポートのおかげで楽しく撮影を終えることができました。

バァフ 役者としてのKANONさんも楽しみにしています! 続いて、TAIKIさんに「24/7」について伺えたらと思います。まず、タイトルの意味について教えてください。

TAIKI 「24/7」は全部歌詞を書き終えてから決めたんです。「24」が24時間で、「7」が1週間のことを表していて。好きな人とずっと一緒にいたいという意味を込めて、「24/7」というタイトルにしました。

バァフ 収録曲のうち、「24/7」だけ学生視点で描かれているので、現役高校生ならではのリアルさが表れているなと感じました。曲のテーマはどのように決めていきましたか?

TAIKI これまで僕は、「やるぞ!」みたいなストレートな曲しか書いたことがなくて、次にソロ曲を作るなら恋愛系やセクシーな曲など、新しいことに挑戦したいなと思っていて。それで今回は恋愛ソングにしました。僕もR&Bはめちゃくちゃ好きなので、R&Bとヒップホップを融合させた曲を作りたいと思い、形にしていきましたね。

バァフ 今回はVLOTさんとKENYAさんを迎えての制作ですが、お2人と制作するに至った経緯というと?

TAIKI 日髙(光啓)さん(SKY-HI)に、VLOTさんとやってみない?と言ってもらったのがきっかけです。『ラップスタア誕生!』という次世代ラッパーのオーディション番組があるんですけど、VLOTさんはその番組のトラックを手掛けている方で。僕がちょうど観ていたショーのトラックを作っていて、ご一緒したいなと思いました。KENYAさんはR&B界の中でも特に好きな方なので、サポートしていただけると聞いて本当に嬉しかったです!

バァフ 皆さんとディスカッションする中で、制作面での新たな発見を得た感覚はありましたか?

TAIKI 今までソロ曲は自分だけで制作することが多かったので、今回KENYAさんを迎えて、メロディの引き出しがめちゃくちゃあるなと思いました。自分だったら入れようとは思わないハモリも、ここでこうやって入れるんだ、とか。色々と勉強になりました。

バァフ 歌詞はどのように書き進めていきましたか?

TAIKI 僕は学生なので、普段の学生生活を思い浮かべて書いていきました。それこそラップ・パートとかだったら、〈あいつから LINE「寝坊した」〉とか、普段からあるようなことを入れていって。大人っぽい恋愛を書くよりは書きやすかったです。

バァフ ちなみに、TAIKIさんがヒップホップに興味を持ったタイミングはいつ頃ですか?

TAIKI 両親がヒップホップ好きで、お父さんは元々ラッパーだったんです。小学4年生の時にお父さんがよく遊びに行っていたイヴェントのMCバトルに、「出ろよ」とノリで言われたのがきっかけですね。

バァフ そこからアーティストとして活動していきたいと思ったきっかけは?

TAIKI その時に出たバトルで、トラックを作っている方にその場で声を掛けてもらって。そのタイミングで楽曲制作を始めたのがきっかけです。

バァフ では続いて、RUIさんに「星が会うその日まで」について伺いたいと思います。「これから先もいろんな感情を共に分かち合って星が会うその日まで、ずっと笑い合えたらと願う2人をイメージして書いた」とコメントされていますが、制作はどのようにおこなっていきましたか?

RUI 日々感じることが多い中で、「今しか感じられないことは今しか書けないし、考え方はどんどん変わっていくから曲として形に残したいです」と日髙さんにお伝えして。そこから制作がスタートしていきました。

バァフ 美しい言葉が連なる歌詞ですが、楽曲のテーマはどのようにして決めていきましたか?

RUI うーん、そうですね……。元々、恋愛系の曲を書きたかったんです。でも、聴く人がいろんな意味で捉えられる内容にできたらいいなと思って書いていきました。あと、僕は幅広くいろんなジャンルを聴くんですけど、最近はvqさんや長谷川白紙さんが好きで。世界を救えるような曲だなと思うんです。僕もお2人のように音楽で世界を救いたいと思ったから、「星が会うその日まで」も聴く人が救われるような曲になってほしいなと思っています。

バァフ トラックはピアノメインの美しいサウンドです。

RUI トラックを作っていただいたUTAさんに、シンプルで詞を立たせるようなトラックにしてほしいと伝えたんです。そうしたら、ピアノだけのデモが送られてきて、「これだ!」と思って。そのまま形になっていきました。

バァフ 皆さんそれぞれ、恋愛や愛情にフォーカスして制作されていますが、向ける視点も切り取る描写も個性が溢れていますよね。それぞれが書かれた歌詞を読んで、どのように感じましたか?

RUI KANONはそのままの性格で書いているなと思います。TAIKIの「24/7」は僕、ずっと聴いているんですよ。あ、KANONの「Make you…」も聴いているよ(笑)。「24/7」は朝のアラームに設定しています。

KANON え、まじ?(笑)

TAIKI そうみたいです(笑)。

バァフ もうすっかり日常生活の中に根付いていますね(笑)。KANONさんはいかがですか?

KANON 「24/7」はサビにかけてメロウな感じになるじゃないですか。テンポの取り方も変わるので、一気に好きな人の沼に浸かったような描写が頭の中に浮かんできました。RUIの歌詞を読んだ時は、良い意味ですごく抽象的だなと思って。絵でいうと抽象画のような感じで、どんなものにでも捉えられる現代アートのような。芸術的だなと思いました。

TAIKI 「星が会うその日まで」を最初に聴いた時は、映画の主題歌みたいだなと思ったんです。でも、インタヴューなどでRUIが曲について話しているのを聞くうちに、こういう曲を作りたいと思って作ったわけではない、ということが分かって。僕にはRUIが書くような歌詞は書けないし、「星が会うその日まで」というタイトルも思い付かないなと。僕ができないことを形にしていてすごいなと思いました。「Make you…」は1発目に聴いた時からすごく良い曲だと感じて。ゴリゴリのR&Bだし、これをKANONにやってほしかったんだと思いましたね。しかも僕には書けないような大人っぽい恋愛の歌詞で、どうやって想像を膨らませたんだろうと内容にも惹きつけられました。

バァフ では最後に、改めてご自身が目指すアーティスト像を教えてください。

KANON 楽しみながら音楽を作って、歌って、踊りたいですし、その楽しさを聴いてくださる人と共有しながらライヴができるアーティストになりたいですね。

RUI 「Forked Road」のように全員一致でかっこいいなと思える曲を、僕は作りたいと思っています。それぞれ聴くジャンルは違っても、1人ひとりが納得できる曲を作りたいですね。

TAIKI ジャンル問わず、僕もいろんな人に認められてもらえるような1曲を作りたいなと思っていて。頑張ります!

『Forked Road』

配信中
〈BMSG〉

INFORMATION OF RUI・TAIKI・KANON

RUI、TAIKI、KANONも参加する、〈BMSG〉の3つ目のボーイズ・グループ・メンバーを決めるオーディション『3rd BOYS GROUP AUDITION PROJECT 「THE LAST PIECE」』が開催中。

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