NOAが主演を務めるドラマ『救い、巣喰われ』が絶賛放送中だ。本作は心に闇を抱えた人気俳優・宝生千秋(NOA)と、駆け出しのアイドル・南瀬 天(阪口珠美)が偶然の出会いから互いの運命を狂わせていく“ヤンデレ系”ラヴ・サスペンス。ヤンデレとは「病んでる」と「デレ」を掛け合わせた造語。相手への愛情が強すぎるあまり、病んでしまった状態のことを指す言葉である。まさしく千秋は“ヤンデレ”なのだが、彼をそうさせている要因は孤独や不安、過去のトラウマだ。千秋と天が紡ぐ物語に、果たして幸せな結末は待っているのだろうか ?
アーティストとしても活躍中のNOAの、役者デビュー作は『君の花になる』。ドラマ3作目となる今回、陰のオーラを纏う役は初挑戦だ。しかも自身初の単独主演。心境を訊くと、「プレッシャーよりも責任感の方が強い」とポツリと呟いた。そして、自分と千秋は意外と似ている部分もある、とも。表面的に見れば“単に愛に狂っている人”に映る千秋だが、決して強くはない彼の繊細な心に触れた時、一概にそうとは言い切れない人間味を感じてしまう。エンディング曲『Say Yes』の制作にも携わっているNOAに、今回はアーティストと役者の二面性について伺った。
バァフ 初の単独主演作ですが、プレッシャーは感じましたか?
NOA プレッシャーというより、今まで以上に責任を感じています。というのも、原作ファンがたくさんいらっしゃる作品なので、実写の千秋をファンの方が観ても愛を持っていただけるように演じたいと思って。初めて演じる役柄でもあったので、早くクランクインしたいなと前のめりな気持ちでいました。
バァフ 千秋を演じる手掛かりはどう掴んでいきましたか?
NOA まずは原作をしっかりと読み、自分と重なるポイントを見つけていきました。きっと声のトーンはこのくらいなんだろうな、と自分の中で想像を膨らませて練習をしたり。色々と試していく中で、千秋像を形作っていきましたね。
バァフ 実際に演じる上で、ヒントにしているものもあるのでしょうか?
NOA あります。他の役者さんがお芝居をされているのを見て、表情や目の動きを研究することはよくあるかもしれません。あと、役者仲間に「こういうシーンはどうやって演じるのがいいかな?」と相談したりもしています。
バァフ 今まで演じてきた役とは違うとおっしゃっていましたが、具体的に違うなと思う部分を教えてください。
NOA 千秋はオス感が強い人ですが、これまで演じてきた役はそうではなくて。今回はオス感をしっかり出せるように頑張っているので、ぜひその一面に注目していただきたいなと思います。
バァフ 天への想いが強くなるにつれ、千秋はだんだんと狂っていきます。その変貌ぶりはどう表現しようと考えていますか?
NOA 想像以上の熱量で演じなければいけないなと思っていて。監督は気持ちのスイッチが入るまで始めなくていいからと言ってくださるので、感情のバランスを取りながら演じています。
バァフ 監督からは、千秋はこういう人であってほしいという演出はありましたか?
NOA 天にだけ見せる表情はちゃんとあってほしいというお話はしてくださいました。なので、他の人といる時の千秋と、天といる時の千秋は全然違うので、特別感のようなものは出せたらいいなと思っています。
バァフ 千秋に対して共感できる部分もありましたか?
NOA ありましたね 。ライヴではファンの方がたくさんの歓声をくれますが、でも、終えて1人になった時にネガティヴな感情が生まれることがあって。スポットライトが当たっていない時に孤独感を感じるんですよね。もちろん制作は1人で黙々と作業をしているので、その時間を楽しむこともあれば、寂しさを感じることもある。そういった感情のオンとオフのようなものが千秋にもあるのではないかなと思ったんです。人気俳優として撮影現場にいる千秋はすごく生き生きしている一方で、1人になると寂しさを感じてしまうギャップは僕自身も分かるなと思いました。原作を読んでいて、千秋が取る行動に対して「これはやばいな」と思うこともありますが、その点以外は嫌いになれない人というか。
バァフ ちなみに、NOAさんは孤独とどう向き合っていますか?
NOA 僕は孤独を楽しむ瞬間もあって、その状況に浸ってしまいます。あまりカッコ良くはないですけどね(笑)。なんで孤独を感じているのかと考える時もあれば、一旦物事から離れて無になる時間を設けて、自分の中で感情を調整しています。
バァフ 制作面で言うと、今回、本作のエンディング曲『Say Yes』を手掛けられていて。歌詞はどのように書き進めていきましたか?
NOA 原作も台本も読み終えてから曲を作り始めたので、千秋の心情を書こうと思って。物語のいろんなところを汲み取るというよりは、千秋に結構フォーカスしています。
バァフ 時間は掛かりました?
NOA いや、完成まで早かったです。クランクイン前ではあったのですが、エンディングで流れるならこんな感じかな?と想像できていて。
バァフ サウンドのイメージはどう固めていきましたか?
NOA 千秋が持っている狂気的な感じもヒントになりましたね。「Say Yes」というタイトルは、ただ「Yes」と言ってほしいというわけではなく、「Yesと言わせる」という強気なメッセージが込められています。そういった強さやハラハラする感じを音に追求しました。あと、このタイミングでこう流れたらカッコ良いんだろうなと想像しながら作っていたので、その点は今までの制作の仕方とはまったく違って新鮮でした。
バァフ 普段はどう制作されているのですか?
NOA 曲作りはもはや趣味でもあるので、「ちょっとゲームしよう」みたいな感覚で作ることもあって。それこそ自分が自分になれる場所として、落ち着きを求めて作る時もあります。落ち着きを求めるというのも、自分が抱えていることや思っていることを発掘して、感情を発散させるために書いたりもしていて。制作において、そういうプロセスはあるかなと思います。
バァフ 『Say Yes』はそういった日常の延長線上ではないというところで、自分の中で意識の差のようなものはありましたか?
NOA 千秋を大事に書きましたが、とは言え、僕自身が彼の感情に共感できる部分は少なくて。歌った時にどうしても偽り感が出てしまうと思ったので、少なからず僕自身もしっかり共感できる歌詞にしようというのは意識していました。自分自身にも「孤独を感じている時、本当はどう感じているのか?」と問い詰めて。曲を作る上で、歌詞を書く時に自分の奥底にあるものを引っ張りだすことってあまりなかったんですよ。そういった部分を隠してきたわけではないのですが、今回はそこをちゃんと出すようにしました。
バァフ 今回はアーティストとしても役者としても参加されていますが、まったく別物だと思いながら活動されている感覚はありますか?
NOA 似ているところもあれば、違うところもあるなと感じています。何だろう……お芝居は日常のワンシーンを切り取ったりしているからこそ、現実味があったりもしていて。音楽はまた別の空間だと思うんですよね。その現実と非現実の狭間で温度差のようなものはあるかもしれないのですが、あえて僕はそこも楽しませてもらっていますね。
バァフ ちなみに、創作の意欲はどういったところから湧いてくるのでしょうか?
NOA 実体験が一番大きいかなと思いますね。自分が体験したことや感情など言葉で伝えられないから曲にしようとか、怒りの感情をそのままぶつけることもできないしな、とか。そういうのを一旦曲にしようと思って作っているので、自分の感情が創作の原点になっているんだと思います。
バァフ 役者を始めた原点はいかがですか?
NOA お芝居は幼い頃に少しやっていて。そもそも表現をすることが好きだったので、デビュー前からレッスンを受けていました。コロナが落ち着いた頃、『君の花になる』のオーディションの話をいただいて受けたのが始まりですね。
バァフ 今回はインパクトのある役になりますが、今後また印象づくような役を演じてみたいという想いはありますか?
NOA 千秋は演じてみたかった役柄だったので、今後も千秋のようなクールな雰囲気を持った役に挑戦したいなと思っています。アクションもやってみたいですし、僕は英語と韓国語もできるので、言語を活かして海外の作品にも出演してみたいです。
『救い、巣喰われ』
監督/酒見アキモリ、佃 直樹、塚田芽来
原作/『救い、巣喰われ』原案:琴子、漫画:カモ〈マイクロマガジン社/『コミックRouge』連載〉
出演/NOA、阪口珠美、阿久根温世(ICEx)、田中幸太朗、青島 心、上原あまね、鈴木秀脩、遊井亮子、坪倉由幸、若月佑美、他
毎週木曜24時59分より〈MBS〉他にて放送中
©「救い、巣喰われ」製作委員会・MBS
INFORMATION OF NOA
アーティスト、役者として活躍中。作曲、作詞、ダンスの振付まで手掛けるトリリンガルで、国内外問わずジャンルに囚われない幅広い楽曲を制作している。
【WEB SITE】
『救い、巣喰われ』公式HP
【X】
【Instagram】
【YouTube】
【TikTok】