CULTURE

TXT日本ツアーのオープニング公演は、ファン=MOAへの感謝が詰まった変幻自在のステージだった

MAY. 8 2023, 8:00PM

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PHOTO / (P)&(C) BIGHIT MUSIC 文 / 上野綾子

3月から、世界13都市を廻るワールド・ツアー『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : SWEET MIRAGE>』を開催中のTOMORROW X TOGETHER(以下TXT)。4月30日に日本ツアーを終了させた彼らは、公演の最終日にドームでの追加公演も発表(7月1日・2日、〈京セラドーム大阪〉にて開催!)。彼らのファンであるMOA(“Moment Of Alwaysness”の略で、「メンバーとファンがいつも共にする全ての瞬間」という意味)にとっては、まだまだ興奮冷めやらぬ日が続くが、ここでは4月18日の〈さいたまスーパーアリーナ〉公演をレポートする。

日本ツアー4都市中の2都市目の初日だったこの日、会場に集まったMOAは数万人。開演前から熱気がこもり、巨大スクリーンに流れるMVに合わせて、自然と大合唱が起きていたのが印象に残っている。今ツアーのテーマは“<ACT : SWEET MIRAGE>(甘い蜃気楼)”。スクリーンに文章が映し出され、5人の英雄たちの物語が始まる。その物語に沿ったオープニング映像で、大きな宮殿の中にいるSOOBIN、YEONJUN、BEOMGYU、TAEHYUN、HUENINGKAIが映ると、より一層歓声も大きくなった。

大歓声の中、光に包まれて姿を現すTXTはナポレオン・ジャケットを身に纏い、まさに英雄そのもの。「5時53分の空で見つけた君と僕 [Japanese Ver.]」が始まりを告げる。勢いをそのままに2曲目「Can’t We Just Leave The Monster Alive?」を披露した後、少しの間にも客席からは彼らの名を呼ぶ声が飛び交う。会場が少し明るくなると、「熱気がすごいですねー」とメンバーから素直な感想が漏れ出ていた。ちなみに彼らはこの日、9割は日本語でMCなどをこなしていた(!)。「僕たちに会いたかったですかー?」、「魔法のような瞬間を、MOAのみなさんも一緒に作ってください」と挨拶をした後ステージは切り替わる。

「Are you ready? Let’s go!」の掛け声で始まったのは「Drama [Japanese Ver.] + No Rules」。ジャケットを一瞬で脱ぎ、ラフな衣装でバスケットボールを手にパフォーマンス。「No Rules」では、韓国独自の文化とも言える、ファンによる“掛け声”が完璧になされ、TXTとMOAの絆をしっかりと見せつけられた。そしてファンにはたまらない「Cat & Dog」。24時間ずっと相手のそばにいたい気持ちを愛らしく歌う。曲の後のMCでは、犬の鳴き声をメンバーがMOAに振り、会場全体に鳴き真似が響くくだりまであって、互いの距離の近さをより実感した。MCではさらに会場を1つにさせる、ペンライトを使った遊びも。ペンライトを持ったメンバーの動きをMOAが真似るのだが、ぬるっと上げてみたりパッと下げたりファンを転がすBEOMGYU、動きを真似させるゲームなのになぜか「YEONJUNさん大好きー!」と言わせるYEONJUNと、やりたい放題自由奔放な姿が見えてまた愛らしい。その後のパフォーマンスへの切り替えも一瞬で、この後何度もギャップに悶え苦しむことになった。

次のセクションでは、幾田りらがフィーチュアリングとして参加した「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) feat. 幾田りら [Japanese Ver.]」も披露。ダイナミックなダンスに、SOOBINの歌う〈たぶん僕はダメさ 天国は行けないや 似合わないから 席も天国に無いよ〉という歌詞をはじめ、切ない歌詞に胸が苦しくなる。そこから「LO$ER=LO♡ER」への振り幅も凄まじかった。メイン・ステージに現れた車に乗り込むと、彼らの後ろのスクリーンにはルート66のような雄大な道が映る(そして映画のワン・シーンのように、お札を投げまくる演出付き)。ここまで聴いていて感じたのは、こんなにテイストの違う曲が並んでも、一瞬でその曲の世界に引き込んでしまうくらいパフォーマンス力が高いということ。通常の活動では、カムバック(新曲披露)の度に全く違うヴィジュアルやコンセプトを打ち出してくるが、そうではないライヴの場でもここまでの振り幅を魅せることができるのは、間違いなくTXTの強みだ。全英詞曲「Devil by the Window」もその1つ。この1曲だけで雰囲気が何度も変わり、何とも不思議な感覚に陥る。悪魔の囁きを聴いた後、続く「Angel Or Devil [Japanese Ver.]」では可愛く恋愛の葛藤を歌い、また心を掻き回されてしまった。そして、忘れてはならない1曲、「Happy Fools (feat. Coi Leray)」。YEONJUNが作曲し、5人全員が作詞に携わった楽曲。覚えやすい振りもYEONJUNが手掛けた。今回のライヴで、MOAと一緒に歌って踊りたいと進めたプロジェクトでもあったと話す。「みなさん踊れますか?」と、何組かのMOAともダンス・チャレンジが始まる。HUENINGKAIが「(踊る時に)守らないといけないことは?」と問うと、「間違えても良い、まずは自信を持って!」とYEONJUN。間違いを恐れるどころか完璧かつノリノリで踊るMOAに、メンバー一同「ワーオ!」と嬉しそうにリアクションしていた。本編の最後は今年リリースされた新曲「Sugar Rush Ride」。掛け声にも一層熱が入っていた。そして統制のとれたMOAのコールにより、アンコール・ステージへ。様々なところで「MOAと歌いたい」とメンバーが口々に言っていた「Blue Spring」は、声出しの制限がなくなったからこそできる大合唱に。最後の「Our Summer」では、会場にいる全員が「마법처럼 빛나는 이 순간을 영원히 잊지 않을게(魔法のように輝くこの瞬間を永遠に忘れない)」と書かれたスローガンを掲げる。そのサプライズにメンバーは目を細めて愛おしそうに、会場の隅々まで見渡していた。

最後のメント(トーク)のコメントも紹介する。
「ここまで大きな規模で単独でライヴをするのは初めてで。MOAのみなさんの姿を見て緊張しました。いつも言っていますが、今日もすごく盛り上がり、幸せで楽しかったです。終わってしまうのがとても寂しいです」(SOOBIN)
「今日のみなさんのエネルギーは本当にすごかったです。これからも、お互いを応援し、愛しながら一緒に過ごせればと思います。MOAのみなさんの自慢のTXTになれるように頑張ります」(HUENINGKAI)
「今日の公演が終わるのは恋しいです。MOAのみなさんがくれる愛とエネルギーがまた僕を元気にさせます。これは、MOAだけがくれることのできる元気です」(BEOMGYU)
「MOAとTXTは切っても切れない関係だと思います。今日触れた大きな愛に応えられるように努力していきます」(YEONJUN)
「日本でこんなに多くのファンのみなさんの前でライヴができる日が来ました。この愛にお返しできるよう、もっと頑張って良い音楽と素敵な公演で戻ってきます。それまで少し待っていてください」(TAEHYUN)
それぞれ、応援してくれているMOAへの、愛を込めた言葉ばかりだった。

INFORMATION OF TOMORROW X TOGETHER

7月5日に日本2ndアルバム『SWEET』の発売が決定。また、7月1日、2日に〈京セラドーム大阪〉にて、本ライヴの追加公演も決定!

 

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