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BOOK-ING volume22 September 2019

9月号(8/23売り)『バァフアウト!』&フリーペーパー『BOOK-ING』にてインタビュー掲載の豊田利晃×渋川清彦記事をウェブでも紹介する。というのも、豊田監督の最新作『狼煙が呼ぶ』は7月の完成後、劇場公開という形を取らず、渋谷〈WWW〉や福岡〈ユニオンソーダ〉などで上映されてきたのだが、各所ソールドアウトの立ち見上映となったため、急遽全国一斉公開が決まったからだ。本作は、16分という尺ではあるが入場料金は通常の映画と同じ1800円(お札付き)での上映ということで、「映画の料金は上映時間の長さで決まるのか?」と映画興行に対する新たな挑戦も背負っている。このタイミングを絶対に逃さないで欲しい。

Featuring 豊田利晃 TOSHIAKI TOYODA ×渋川清彦 KIYOHIKO SHIBUKAWA

豊田利晃監督の最新作『狼煙が呼ぶ』がライヴハウスをはじめ通常の興行形態に囚われない場所で公開されている。しかも制作期間は企画(ちなみに予算は、ほぼ0円)のスタートからすると、約2ヶ月という異例のスピード感だ。

「4月18日に僕は拳銃不法所持で逮捕され、26日に釈放。5月23日に不起訴になった。ただマスコミとネットの相乗効果による社会的いじめみたいな構造があり、各社にニュースは送ったんですけど、どこも不起訴のニュースを取り上げてくれなかった。『記者会見したらどうか?』という意見もあったんですがそれは嫌で。『映画監督なんだから、映画で返答します』と。で、企画書を書いたのが5月1日、令和元年。そこからスタッフ、キャスト−−−−僕と関係性のある人たちですよね−−−に声を掛けて集まってもらった。上映場所は、映画館は大体半年前から決まっていて空かないし、あと映画館って、誰かが逮捕されたりすると公開延期とか中止になるじゃないですか。それも気に入らねぇなと思ったので映画館じゃないところでやりたかった。まず渋谷の〈WWW〉が7月17日なら空いているというので、そこに間に合うように撮影しました。短期間ですが、時間をかけると意味がないと思ったんです。速攻やらないとどうせみんな忘れる。この時間の中でやるのなら短編映画しかありえないと思いました」(豊田)

その拳銃というのは、豊田の祖父が戦争中に自分の身を守るために持っていた拳銃で、彼の父親が形見として持っていたものを豊田が引き取っていた。理不尽なニュースが流れる日々で頭が麻痺しそうではあったが、豊田の件はやはり憤りが沸き上がってきた。「おかしくないか?」と。ただ、そんな状況を「どうしたものか」と憂いてばかりで何もしない。納得できない事が多過ぎて、その1つひとつを毎日の中に埋もれさせてしまうのが我々の現実だ。何ともやるせない。そんな“今”を積み重ねる人はどれ位いるのだろう。でも、だからこそ、短期間で超一流のスタッフ(撮影・笠松則通、衣装・宮本まさ江、他)と役者を揃え、『狼煙が呼ぶ』を完成させたという知らせを、1つの狼煙として受け取った者、これから受け取る人は、多いのではないか。

「重要なのはそういう時に、立ち上がる大人がいるということをガキ共に見せる、姿勢を見せるということが重要で。大抵は『自粛しろ』と言われるんです。僕の周りでも反対はあったので。でもやるぞと。『大人しくしている方がいい』、それが普通の大人の社会の人の考え方だとは思うんですけど、『いや、それは、古い。今はやるのが新しい』と思っています。もういい加減、そういう大人の社会に合わせる必要はなくて。やりたいようにやりゃいいんじゃないかなってことですよね。この映画も『人が集まる』という話なんです。それだけで語れることはあるんじゃないかなと思っています。必要なのは、作る速度と立ち上がる意志、返答する意志だと思うんです」(豊田)

「豊田さんは立ち上がるスピードと人を巻き込む力がすごいんです。みんなの懐にブワーッと入っていく(笑)。で、その人の心を掴むんです。それで全部が成立する。(音楽も手掛けた)切腹(ピストルズ)の皆さんも知り合って間もないんですよ? それでかなり親密になっていますから」と語る渋川が撮影で一番印象に残っているのは、監督に「もうちょい重く歩いてくれ」と言われ、歩き方を変えたこと。「そこからすべてが変わりました。今もその足音が頭の中にこびり付いているんです。ザッザッザッザッて」

RECOMMEND!

『竜馬がゆく』

『竜馬がゆく』

 「留置場に入るとミニ図書館があって。そこで時代劇を読もうと『竜馬がゆく』を読んだらハマりました。幕末志士の時代に対する考え方が今とリンクする気がします。というか今って少し幕末みたいですよね」(豊田)
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司馬遼太郎〈文藝春秋〉刊

『日本ぶらりぶらり』

『日本ぶらりぶらり』

 「撮影先で行っていた長野の、〈山下清 放浪美術館〉で買いました。これは山下 清の絵もたくさん入っていて面白い本ですよ。ちなみに美術館で買うと、ポストカードを3枚もくれました。オススメです」(渋川)
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山下 清〈ちくま文庫〉刊

INFORMATION OF TOSHIAKI TOYODA × KIYOHIKO SHIBUKAWA

『狼煙が呼ぶ』

『狼煙が呼ぶ』

企画・プロデューサー・監督・脚本・編集/豊田利晃 出演/渋川清彦、浅野忠信、高良健吾、松田龍平、中村達也、伊藤雄和(オールディックフォギー)、仲野 茂(アナーキー)、MASATO(アスフォート)、切腹ピストルズ、MIU 

8月23&24日〈京都みなみ館〉にて上映予定、他詳細および〈UNDERCOVER〉×『狼煙が呼ぶ』コラボTシャツなどの販売はwww.imaginationtoyoda.comにて。

※豊田利晃 自伝『半分、生きた』が〈HeHe〉より今夏発売予定。

全国一斉上映 『のろし一揆!』 上映館

北海道 シアターキノ(9/27)
青森県 フォーラム八戸
岩手県 フォーラム盛岡(9/27〜)、チネ・ラヴィータ
山形県 フォーラム山形
福島県 フォーラム福島
群馬県 シネマテークたかさき
東京都 ユーロスペース、アップリンク 吉祥寺、シネマート新宿(9/20、10/4〜10)
神奈川県 あつぎのえいがかんKIKI、横浜シネマ ジャック&ベティ
新潟県 シネ・ウィンド、高田世界館
富山県 ほとり座
長野県 上田映劇 (9/20〜10/16)
静岡県 シネマイーラ
愛知県 伏見ミリオン座
三重県 伊勢進富座
京都府 出町座(9/20〜23)、京都みなみ会館
大阪府 シネマート心斎橋(9/20〜23)、シネ・ヌーヴォ
兵庫県 元町映画館
広島県 シネマ尾道、横川シネマ
佐賀県 シアター シエマ
熊本県 Denkikan、本渡第一映劇
大分県 シネマ5、日田シネマテーク・リベルテ、別府ブルーバード劇場
宮崎県 宮崎キネマ館
鹿児島 ガーデンズシネマ

※詳細は劇場にてお問い合わせ下さい。

他、劇場は決まり次第以下HPにて。
www.imaginationtoyoda.com

 

 

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