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BARFOUT!2023 February

MUSIC 『Awakening』INI

MUSIC 『Awakening』INI

デビュー後にリリースしたシングル3作がすべて〈オリコン〉ランキングで首位を獲るなど、快進撃が続くINI。待望の1stアルバムでは、豊富な音楽性を提示するだけでなく、タイトル曲の「SPECTRA」には西 洸人が、「Runaway」には田島将吾が作詞参加と、制作面でもコミット。メンバーそれぞれが磨いてきた音楽的センスが注ぎ込まれることにより、更に道が拓けていくだろう。彼らの勢いと輝きがそのままパッケージングされた、トレジャー・ボックスのような1枚。(上野)

『Awakening』INI
発売中
〈LAPONE ENTERTAINMENT〉

FILM 『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』

FILM 『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』

ハリウッドの映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの数十年に及ぶ性的暴行事件を巡る、実話に基づいたスクープ・サスペンス。ジャーナリズムで正義を貫いた『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者たちが勇ましく頼もしい。トラウマを抱えながらも声を上げた被害女性たちの葛藤と勇気にも心が震えた。特に印象的だったのは子を持つ記者や被害女性が「娘たちが生きる未来のために」と告発を諦めなかったこと。性犯罪との闘いは、次の世代を守るための闘いでもあるのだ。(賀国)

『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
監督/マリア・シュラーダー
原作/『その名を暴け―#MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い―』ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー〈新潮文庫〉
出演/キャリー・マリガン、ゾーイ・カザン、パトリシア・クラークソン、アンドレ・ブラウアー、ジェニファー・イーリー、サマンサ・モートン、他
全国公開中
© Universal Studios. All Rights Reserved.

FILM 『ノースマン 導かれし復讐者』

FILM 『ノースマン 導かれし復讐者』

『ウィッチ』、『ライトハウス』の筆致とは違う、荘厳なアクション映画に仕上げてきたロバート・エガース監督。時に人物にフォーカスした絵作りは『ヴァルハラ・ライジング』(ニコラス・ウィンディング・レフン監督)を少し彷彿とさせるが、シングル・カメラで撮り切ったことでダイナミズムとリアリティがもの凄いのが本作。北欧神話、ヴァイキングにとって「ヴァルハラ」がいかに重要か?という特殊なテーマに、シェイクスピア的な父と子と母の物語の普遍性をドッキングさせた妙技たるや。(堂前)

『ノースマン 導かれし復讐者』
監督/ロバート・エガース
出演/アレクサンダー・スカルスガルド、ニコール・キッドマン、クレス・バング、アニャ・テイラー=ジョイ、イーサン・ホーク、ウィレム・デフォー、ビョーク、他
1月20日より〈TOHOシネマズ シャンテ〉他にて、全国公開
© 2022 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

FILM 『イニシェリン島の精霊』

FILM 『イニシェリン島の精霊』

ある日突然、長年の友人コルムに絶縁を告げられた主人公パードリック。その理由の呆気ないほどのシンプルさは、逆にパードリックの中に不穏な影を生み出す。不条理とも言える展開は、果たして悲劇か喜劇か? アイルランドのイニシェリン島という閉鎖的な環境、ルーティンな日々を送る住人がゆえに起こったことなのか? 複雑怪奇な人間模様は次第に他人事ではない形相を呈してくる。一度拗れた人間関係の修復の難しさだけでなく、決裂からの始まりも描いた野心作。(堂前)

『イニシェリン島の精霊』
監督・脚本/マーティン・マクドナー
出演/コリン・ファレル、ブレンダン・グリーソン、ケリー・コンドン、バリー・コーガン、他
1月27日より〈TOHOシネマズ シャンテ〉他にて、全国公開
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

FILM 『スクロール』

FILM 『スクロール』

小説家・橋爪駿輝の同名デビュー作を映画化した本作。主人公は、境遇は違えど、生きること、愛することの意味を失っていた〈僕〉とユウスケ。無情に過ぎる日々の中で届いたのは、2人の友人・森が自殺したという報せだった。それは〈僕〉とユウスケに大きな変化をもたらしていく。何者にもなれず、日々を諦めかけた彼らの姿を観ている間、まるで自分自身もそこに生きる1人のように思えてならなかった。絶望が目の前にあろうとも光を見たくなる。人に寄り添ってくれる青春群像劇だ。(松坂)

『スクロール』
監督・脚本・編集/清水康彦
原作/『スクロール』橋爪駿輝〈講談社文庫〉
出演/北村匠海、中川大志、松岡茉優、古川琴音、他
2月3日より全国公開
(画像下)
©橋爪駿輝/講談社 ©2023映画「スクロール」製作委員会

FILM 『すべてうまくいきますように』

FILM 『すべてうまくいきますように』

「生きるのと延命は違う」と安楽死を願う父と、それに振り回される姉妹。残される者の葛藤や事務的な手続きの面倒さも軽快なタッチで切り取る(安楽死に手を出せない人を「哀れだな」と語らせるブラックさも)。自殺幇助が合法のスイス(昨年亡くなったゴダールもここで)に行けるかどうか、緊張を途切らせないオゾンの手腕。ベースとなった原作は『Tout s'est bien passé』、直訳すると「すべてうまくいった」であるが、観終えた後はこの邦題にしみじみと感じ入る。(堂前)

『すべてうまくいきますように』
監督・脚本/フランソワ・オゾン
出演/ソフィー・マルソー、アンドレ・デュソリエ、ジェラルディーヌ・ペラス、シャーロット・ランプリング、ハンナ・シグラ、エリック・カラヴァカ、グレゴリー・ガドゥボワ、他
2月3日より〈ヒューマントラストシネマ有楽町〉他、全国公開
© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTURES