MainVisual

BARFOUT!2022 MAY-2

BOOK 『私語と(しごと)』尾崎世界観

BOOK 『私語と(しごと)』尾崎世界観

 インディーズ時代からニュー・アルバム『夜にしがみついて、朝で溶かして』から、連載『ツバメダイアリー』で語られている視点でチョイスされた75曲の歌詞を収録した歌詞集。「帯」、「はじめに」、「おわりに」と、書籍のフォーマットを逆に利用して、それらの歌詞を新たに書き下ろし。クリープハイプのアルバムや尾崎の書籍のアート・ディレクションを担当している寄藤文平によるブック・デザインは、今回もシンプルでありながら力強い。(山崎)

『私語と(しごと)』尾崎世界観
発売中
〈河出書房新社〉

BOOK 『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』降田 天

BOOK 『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』降田 天

 これはミステリであって、ミステリではない。「ミステリ」と一言で片付けてしまうには降田 天の文筆はあまりにも巧みすぎる。推理小説としてのプロットの素晴らしさもさることながら、情景描写や比喩表現がなんと的確で鮮やかなことかと、1行1行読む度に感嘆が止まらなかった。短編集である本作は倒叙型だが毎話ドラマチックな結末を迎え、登場人物の描かれ方も奥行き深く人間味があり、さながらテレビ放送の連続ドラマを1クール観たような読後感。(賀国)

『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』降田 天
発売中
〈KADOKAWA/角川文庫〉

MUSIC 『HANGOUT』Nulbarich

MUSIC 『HANGOUT』Nulbarich

 新曲4曲入りCDと、昨年開催された2本のライヴ映像の組み合わせ新作。〈世界がどこに行こうが 心配する方が馬鹿らしいや この場所は変わらない〉というラインが突き抜ける「It's All For Us」。ミドル&メロウのグルーヴが心地良い「STEP IT」。〈変わり映えのない my life 変わりゆく時を刻め 好きなタイミングで roll a dice その出た目だけ進め〉が頼もしい「DRIP DRY」。プロデュース・ユニット、天蚕糸風呂がミックスした「A New Day」。(山崎)

『HANGOUT』Nulbarich
発売中
〈ビクターエンタテインメント〉

MUSIC 『わたしのLife』藤原さくら

MUSIC 『わたしのLife』藤原さくら

 初のタッグとなる、Yaffleによるミドル&メロウなトラックに、彼女の魅力のスモーキーな声で〈ほんと よくやってんなぁ 今日のわたしも 頭上がんないから〉と歌われる出だしに一気に掴まれる。毎日頑張っていてうまくいくこともあれば、いかないことがあるわけで。で、サビで〈うまくいかなくてもいいの〉と締め括る。5月から、文化財やミュージアムなど、こだわりを感じさせる場所でのライヴ・ツアー『弾き語りツアー 2022-2023 “heartbeat”』が開催。(山崎)

『わたしのLife』藤原さくら
配信中
〈ビクターエンタテインメント〉

MUSIC 『Flash night』Mellow Youth

MUSIC 『Flash night』Mellow Youth

 危うさと気高さが香るMellow Youthの楽曲は、V&Gの伊佐 奨が創る心地良いサウンドに石森龍乃介の甘く気怠いヴォーカルが、緩く横揺れを誘う。ドラマチックな視点で切り取られた日常がジャズやシティポップ、歌謡などのジャンルと融合し、時に力強く、時にしなやかに唯一無二の存在感を放つ。2020年以降のシングル曲に5つの新曲で構成され(そして曲順が本当に素晴らし過ぎる)、ファースト・アルバムにして早くも彼らの色が確立された濃密な1枚。(上野)

『Flash night』Mellow Youth
4月20日発売
〈JMS〉

MUSIC 『陽はまた昇るから』緑黄色社会

MUSIC 『陽はまた昇るから』緑黄色社会

 『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』主題歌。僕のライフタイム・ベスト10入り名曲「Mela!」続編にも聴こえたポジティヴィティ溢れる1曲。近作、特に楽しみにしているカップリング曲。今作は長屋晴子・作詞作曲の、カップリングとしてもったいないレヴェルのバラード「時のいたずら」。〈流⾏りは廃る 花は枯れる 全て終わってゆくのにな どうして逆らいたいのだろう 果てる景⾊を愛したい〉というフレーズが沁みて、素晴らし過ぎ。(山崎)

『陽はまた昇るから』緑黄色社会
4月20日発売
〈ソニー・ミュージックレーベルズ〉

MUSIC 『Strides』小袋成彬

MUSIC 『Strides』小袋成彬

 昨年10月に配信リリースされた3rdアルバムが、Hugo LX、KOHEI JAPANをはじめアーティスト、プロデューサーとのリミックス、リワーク音源を収めた1枚との2枚組でCDリリース。オリジナルは、これまで2枚よりさらに内省的、静謐さの質感が深さを増し、独り、夜、自分と向き合う際にぴったりなアルバムに仕上がっている。で、もう1枚は向き合った後、外に向かっていく放出感を感じさせる。6月から、約3年半ぶりの全国7カ所コンサート・ツアーも敢行。(山崎)

『Strides』小袋成彬
4月27日発売
〈ソニー・ミュージックレーベルズ〉
(写真はイメージ画像)

FILM 『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』

FILM 『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』

 ポスター・ヴィジュアルを見て「動物キャラのアニメ映画か」と思うと、痛い目に遭う。主人公の朴訥とした語り口と、いくら掬い上げても触れられないような混沌としたストーリー展開に、気付けば霧の深い森の中を歩かされている気分になる。2021年に放送されたアニメを再構成し、最終回の“その後”も描かれた本作。アニメ放送時に白熱した視聴者の考察や議論がネット上に後を絶たないので、これから初見でご覧になる方はぜひ前情報を何も調べずに臨んでいただきたい。(賀国)

『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』
監督/木下 ⻨
声の出演/花江夏樹、飯田里穂、木村良平、山口勝平、三森すずこ、小泉萌香、村上まなつ、他
全国公開中

©P.I.C.S. / 映画小戸川交通パートナーズ

FILM 劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』

FILM 劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』

 25作目となる劇場版。今回は人気キャラクターである安室 透(本名は降谷 零、公安警察官)と、彼の警察学校時代の同期4名(いずれも既に殉職)が軸となるストーリーで、ゲスト声優には白石麻衣が登場! コナン・シリーズの凄いところは、映画の主役になれるほどのメイン・キャラクターが数十人いて、毎年全く別の作品のような振れ幅を生み出せること。しかもこの複雑な世界を週刊連載で28年描き続けている原作者の青山剛昌は、もはや人智を超えた存在に思える。(賀国)

劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』
監督/満仲 勧
原作/『名探偵コナン』青山剛昌(〈小学館〉『週刊少年サンデー』連載中)
声の出演/高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷 徹、高木 渉、湯屋敦子、他
全国公開中

©️2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

FILM 『SEVENTEEN POWER OF LOVE : THE MOVIE』

FILM 『SEVENTEEN POWER OF LOVE : THE MOVIE』

 SEVENTEENにとっては初となる映画公開。CARATのみなさんに向けて一足先に届いたメッセージ動画で「プレゼント」だと言ってくれた、その優しさが沁みる。昨年のオンライン・コンサートのライヴ・ステージと共に、舞台裏や13人のインタヴュー映像など、久しく会えていない中で、改めて近くに感じることができるだろう。5月には2年半ぶりとなるオフライン公演も開催! ブランクの分、この先もCARATのみなさんへたくさんのプレゼントを用意してくれているのではないだろうか。(上野)

『SEVENTEEN POWER OF LOVE : THE MOVIE』
4月29日より全国順次公開
※『4DX』、『4DXScreen』などの特別シアターでは5月13日より公開

©2022 HYBE ALL RIGHTS RESERVED. MADE IN KOREA.

FILM 『マイスモールランド』

FILM 『マイスモールランド』

 映像制作者集団・分福の川和田恵真監督の商業映画デビュー作。嵐 莉菜が演じる埼玉に住む17歳のクルド人、サーリャを通して描かれるのは、あるきっかけで在留資格を失い、日常が一変する日本に住むクルド難民の姿。彼女の願いは「日本にいたい」ということ。嵐と、サーリャが心を開く聡太役の奥平大兼の瑞々しい演技によって、難民問題という難しいテーマを身近に感じさせてくれる。本作を彩る音楽を手掛けるのは、映画音楽を担当するのは初となるROTH BART BARON。(松坂)

『マイスモールランド』
監督・脚本/川和田恵真 出演/嵐 莉菜、奥平大兼、平泉 成、藤井 隆、池脇千鶴、他
5月6日より〈新宿ピカデリー〉他、全国公開
©️2022「マイスモールランド」製作委員会

FILM 『バブル』

FILM 『バブル』

 荒木哲郎監督と、『君の名は。』や『天気の子』でも知られる川村元気プロデューサーがタッグを組んだ本作。脚本に虚淵 玄、キャラクター・デザイン原案に小畑 健、音楽に澤野弘之という最強の布陣で制作。舞台は、世界に降り注いだ泡〈バブル〉で重力が壊れた東京。ライフラインが閉ざされた街ながら、ビルからビルを駆け回る若者たちのパルクールのバトルは、躍動感と爽快感があり、ライヴのような没入感を味わえる。何かを変えるきっかけは、いつだって強い生命力だ。(松坂)

『バブル』
監督/荒木哲郎 声の出演/志尊 淳、りりあ。、宮野真守、梶 裕貴、畠中 祐、千本木彩花、逢坂良太、広瀬アリス、他
5月13日より全国公開、4月28日より〈Netflix〉版が〈Netflix〉にて全世界配信
©2022「バブル」製作委員会