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BOOK-ING volume 26 March 2020

Featuring岡田結実 YUI OKADA

技術力の多寡を冷静に見つめ、今の自分に何ができるのか、何が必要なのか?を考え抜く。岡田結実は向上心の塊のような人だ。押し潰されそうになるほどのプレッシャーを自らにかけ、目下挑んでいるのは、女子高を舞台にしたドラマ『女子高生の無駄づかい』〈テレビ朝日〉系。クラスメイトのバカ(岡田結実)、ヲタ(恒松祐里)、ロボ(中村ゆりか)をはじめとする個性豊かな面々が、特段何をするわけでもなく、他愛のないリアルな日常を送る様を、視聴者が覗いているような作品だ。まるで小学生男子が女子高生の皮を被っただけにも見える、単純明快で屈託のないバカ役を、いかに体現できるか。岡田は丁寧に紐解いている最中だ。確実に今、彼女は新たな成長のチャンスを手に入れようとしている。

「私が考えるに、バカってテンションは高いけど、感情の起伏というよりも真面目なトーンでテンションが高いといいますか……芸人さんだと、ナイツの塙(宣之)さんや、オードリーの若林(正恭)さんのような。面白いことを言っているけど、動きや表情はあまり変わらない印象です。この間の撮影で思ったのが、ウケを狙おうとするとそこにはバカの真実味がなくなるから、違うんだなと。とにかく真面目にやって、ウケるものを探していくということに最近気付きました。一緒にいるロボやヲタの演技がすごく上手なので、私に迷いがあると一瞬でパーンと跳ね返されちゃうんですよ。迷いを作っちゃいけないのは、コメディならではの難しさだと思いました」

彼女たちが送る普遍的な日常は、岡田の目にどう映っているのだろう。

「高2から通信制だったので、1年の時はバカたちみたいに、毎日くだらないことに笑って楽しく過ごした学生生活でした。このドラマを観ると懐かしさを感じますし、こういう生活をしてみたかったなという心残りも少し――私は、伝えたいこと、学ぶべきことが必ず作品にあると思いながら台本を読むタイプで、この作品も『どんなことが学べるんだろう?』と思いながら読んでいたんです。でも、最初はなかなか見えてこなくて。自分の学生生活を振り返った時に、くだらないことが当時はすごく心の支えになっていたことが分かりました。自分の中でふっと気を抜ける場所や想い出、何でもない時間を一番大事にしたいということが、この作品での学びです」

岡田の言葉1つひとつや作品に向き合う姿勢からは、ひた向きで真面目、努力家な人柄が滲み出ている。

「私、本当に不器用なんですよ。『私のおじさん〜WATAOJI〜』の時は役作りというのがよく分からないまま演じて、役と自分の区別がつかなくなったり、考えていたことも現場に行くと全然表現できなくて、ずっと悔しかったんです。たくさんの方に支えていただいたから、なんとか今、ここにいられている。ヴァラエティも瞬発力を誉めていただくことが時々ありますが、いつも収録後に『なんで自分はこうできなかったんだろう』と思うことばかりで。『悔しい』の連続なんですよ。今回のバカも、プランをいろいろ考えた結果を演技として出しちゃったら成り立たない、でも考えちゃう、上手くいかないというループで……。撮影は楽しいですが、心の底から楽しんでいるか?と聞かれたら、めちゃめちゃムズイ!というのが本音です(笑)。だけど、私だけじゃなく、いろいろな人がもがいて経験していることだと思えば乗り越えられるかなって。なんでもっとポジティヴにできないのか、反省し続ける自分に疲れることも時々あるんですけど、そういう時は名言集とかを読んでいます(笑)。単純かもしれませんが、言葉に背中を押されて『また頑張ろう』と前向きに思えますし、今できないことはどう足掻いてもできないって、少しだけ自分に優しくもなれる。私にできることを、一歩一歩着実に進めていきたいです」

RECOMMEND BOOK

『また、同じ夢を見ていた』 

『また、同じ夢を見ていた』 

 「女の子が年齢も職業もバラバラの人たちに出会っていくんですが、1人の人生をこんなにも綺麗に、でも紆余曲折も分かりやすく描かれている作品ってほかにないと思います。自分に悩みがあってもなくても、読んだら心が浄化されるというか。背中を押すというより、優しくなでてくれるような作品です」
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住野よる〈双葉社〉刊

INFORMATION OF YUI OKADA

『女子高生の無駄づかい』 

『女子高生の無駄づかい』 

演出/山本大輔、日暮 謙、中島 良、洞 功二
原作/『女子高生の無駄づかい』ビーノ〈角川コミックス・エース〉刊
出演/岡田結実、恒松祐里、中村ゆりか、福地桃子、
浅川梨奈、畑 芽育、井本彩花、横山 涼、内藤理沙、
町田啓太、大倉孝二、他
金曜夜11時15分より〈テレビ朝日〉系にて放送中

REVIEW by BARFOUT! editor's

FILM『名もなき生涯』

FILM『名もなき生涯』

 マリックの映像哲学と、何を持って“善悪”とするのか? 信念を突き通すとは? といった投げ掛けが荘厳な相乗効果を生み出す。第二次世界大戦時、ヒトラーへの忠誠を拒絶したことで後に列福された1人の農夫とその家族との繋がりを描いた本作は、多くの名もなき善人たちに捧げられていることだろう。(堂前)
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監督・脚本/テレンス・マリック 出演/アウグスト・ディール、ヴァレリー・パフナー、ブルーノ・ガンツ、他 2月21日より〈TOHOシネマズ シャンテ〉他、全国公開
©2019 Twentieth Century Fox

FILM『子どもたちをよろしく』

FILM『子どもたちをよろしく』

 酔った義父に性暴力を振るわれるデリヘル嬢と義父の連れ子の少年、ギャンブル依存の父を持ち、学校ではいじめの標的にされる中学生――居場所をなくした3人が取った行動とは? 企画・総括プロデューサーは寺脇 研、企画は前川喜平。長年、子どもの自殺や貧困問題と向き合ってきた2人が本作を支える。(堂前)
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監督・脚本/隅田 靖 出演/鎌滝えり、杉田雷麟、椿 三期、川瀬陽太、村上 淳、有森也実、他
2月29日より〈ユーロスペース〉他にて全国公開
(C)子どもたちをよろしく製作運動体

BOOK『新房昭之×シャフト クロニクル』

BOOK『新房昭之×シャフト クロニクル』

 『化物語』、『魔法少女まどか☆マギカ』を生み出したアニメーション監督・新房昭之と、アニメ制作スタジオ、シャフトの仕事の軌跡を網羅。圧巻なのは情報量だけでなく、リアルタイムな作り手の熱量と制作秘話を見事にパッケージしていること(イラスト雑誌『季刊エス』で長年追い続けてきた取材記事をアーカイヴ)。(堂前)
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発売中〈復刊ドットコム〉

SPOT『好日山荘クライミングジム グラビティリサーチ サンガスタジアム byKYOCERA』

SPOT『好日山荘クライミングジム グラビティリサーチ サンガスタジアム byKYOCERA』

 登山・アウトドア用品専門店の〈好日山荘〉が、スポーツクライミングの3種目(リード・ボルダリング・スピード)の国際基準を満たす日本初のクライミング・ジムを京都にオープン。ウォールの難易度が様々(キッズ・エリアもあり)なので、初心者はもちろん世代を問わずに楽しめそう!(多田)
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所在地:京都府亀岡市追分町「サンガスタジアム by KYOCERA」内
営業時間:平日 13:30~22:00/土日祝 9:30~18:00
定休日:月曜日(営業カレンダーによる)

BEST ALBUM OF LIFETIME『Strange But True』SION

BEST ALBUM OF LIFETIME『Strange But True』SION

 1988年発表。2枚組だが、タンゴを奏でるNYのエヴァン・ルーリー・バンドと現地録音した1枚目が素晴らしい。負け犬視線のロクでもない男の言葉がもの哀しいバンドネオンの音色と音数少なくも絶妙なアンサンブルで見事にマッチし、言いもしれない感情に包まれるのだ。(山崎)

BEST MAG OF LIFETIME『ViVi別冊『STYLE』

BEST MAG OF LIFETIME『ViVi別冊『STYLE』

 「雑誌のようにアルバムを作りたい」発言があった松任谷由実が1985年に責任編集した1冊。名前貸しでなく、自ら広告タイアップを立案&プレゼン。ファッション・ページも一切妥協ないクオリティ。エスニック料理も自らクッキン。一流のエディターでもあることを証明。(山崎)