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〈sio〉と、料理と、今日の私。第1回 Guest/安達祐実、桑島智輝

撮影 桑島智輝
文 岡田麻美

料理だけでなく様々なホスピタリティが高く、味わったことのない驚きの出会いがある、代々木上原のモダン・フレンチ〈sio〉。オーナー・シェフの鳥羽周作をホストとして、多彩なゲストを招き、新しいレストラン体験を伝える当企画。記念すべき初回は、写真集『我我』を刊行された俳優の安達祐実、写真家の桑島智輝夫妻をお招きしました。

〈sio〉で夫婦ランチ

「カワイイ、写真撮って!」と、料理を見て顔を綻ばせる安達。桑島は写真を撮るのに夢中だ。一口頬張れば、今度はゆっくり味を噛み締め、感嘆。桑島は食への執着が強いのだと安達に明かされると、「僕もです。人生で食べる料理の数は決まっている。その1つだと考える、クリエイターの方に喜んでもらえて嬉しい」と鳥羽シェフ。

サッカー選手と小学校教員を経て、32歳で鳥羽シェフは料理の世界に飛び込んだ。これまでの経験が、レストラン作りの視点に生かされている。「料理がおいしくて発見があるのはもちろんですが、ナイフは肉汁が出ないほど滑らかに切れたり、空間の香りを調合したり。お店の面白さをたくさん持ちたいんです」と話す。おしぼりは特に熱量を持っており、厳選したタオル・ブランドを指定するほど。これには安達も「拭くと手がスベスベになる!」と驚いた。

〈sio〉のコースは写真集のように、文脈と抑揚を感じさせる。鯖のクレープを食べた安達は、「食べたことのない味だけど、おいしい!」と衝撃を受けていた。「こういう複雑な味とシンプルな料理をコースに混ぜていて。10皿通して体感した時の気持ち良さを、うちは大事にしています」と鳥羽が答える。「計算しないと作れないクリエイティヴな味と、偶然性のあるアートの部分が共存する料理を作りたい」という言葉には、桑島も「写真もそれは一緒ですね。プロフェッショナルさがすごく伝わります」と頷くのだった。

照れながら「ある時から安達さんのイメージが、カッコ良いアートな感じに変わった」と称える鳥羽シェフ。「夫のおかげ」と答える安達の言葉をきっかけに、「一緒にいる人で食も変わる」という話題へ。話は尽きない
〈sio〉のスタッフとともにパチリ

今回のメニュー

「ビーツと馬肉、ホタテとサルサのタルタル」

馬肉のユッケをビーツで味付けしたタルタルと、ホタテにグリーンサルサを和えておかひじきを乗せたタルタル。「味もビビットな色も好み」と、桑島も太鼓判

「オクラとイカスミの海鮮チヂミ」

イカスミを練り込んだ海鮮チヂミの上に、オクラを乗せた一品。安達は「もう見た目が好き! カリッとしたチヂミと、オクラのぬるっとした食感が絶妙で、お箸が止まりません(笑)」と、もぐもぐ

「鯖のチョコバナナクレープ」

鯖の干物、鳥レバー・ペースト、お米やバナナのサラダ、ピーマンの七味などを包んだクレープに、栗のフォームミルクを乗せた、攻めの一皿

「〈sio〉のアイス」

「僕は他店でデザートがもの足りず、帰りにアイスを買ってしまうことが多くて。そんなことはさせない!」と鳥羽シェフの気合いが入った「〈sio〉のアイス」

「ペアリング・ドリンク」

別途、ペアリング・ドリンクを頼むと、各料理によって取り合わせが楽しい、希少なアルコールかティーが供される
INFORMATION OF sio

INFORMATION OF sio

〈DIRITTO〉、〈Florilege〉、〈Aria di Tacubo〉などで研鑽を積み、〈Gris〉のシェフに就任した鳥羽周作が、 2018年7月、オーナー・シェフとして自身のすべてを出し尽くしてオープンしたレストラン。
 
東京都渋谷区上原1-35-3
tel.03-6804-7607(12:00〜22:00)
予約制
水曜定休、不定休(ランチは土・日・祝日のみ)
ディナーコース10皿(10,000yen)、ランチコース6皿(7,000yen)

INFORMATION OF YUMI ADACHI & TOMOKI QWAJIMA

INFORMATION OF YUMI ADACHI & TOMOKI QWAJIMA

桑島と出会ってから、安達にとって生活を撮られるという非日常の行為は、ごく自然なことになった。俳優の中には個人のすべてをさらけ出せない人もいるだろうが、安達は抵抗がないという。だからこそ、写真集『我我』ができたのだと桑島は話す。1月号(発売中)では、『我我』についての話も伺っているので、ぜひ本誌もチェックを!
 
『我我』著者/桑島智輝、安達祐実 
発売中 〈青幻舎〉